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[コンサル]電気自動車の売上は?[フェルミ推定]

投稿日:

現在、総合コンサルティングファームで勤めている私ですが、次は戦略ファームにチャレンジしたいと思っています。

こちらの投稿では、コンサルティング業界では転職時に対策が必要になるフェルミ推定を実際に行っていく過程を例題を取り扱いながら、お伝えしていきたいと思っています。今回のお題は「電気自動車の売上は?」です。

想定する読者、メリット

想定読者

  • コンサルティングファームへの就職を考えている就活生
  • コンサルティングファームへの転職を考えているコンサル未経験の社会人の方

メリット

  • 面接に向けての練習問題として活用できる
  • 面接の場で問題に対してどのようにアプローチしていくべきかがわかる
  • 面接の場でどのように話をするべきなのか参考にできる

前提の確認

まず、前提を確認します。ここで確認するべきは、どの国のお話しか?というところです。

ここについては、日本における年間の電気自動車の売上が推定する対象であるとわかったとしましょう。

また、電気自動車といっても、プラグインハイブリッドなどのガソリンと電気の双方を用いるタイプと、純粋な電気のみを用いるタイプなどがあります。今回は、純粋な電気を用いるタイプの電気自動車がターゲットであるとします。

Approachの策定

それでは、求める対象の前提がわかったところで、Approachを決めていきたいと思います。

電気自動車は、当然ではありますが自動車のうちの一つという扱いが出来ますので、日本における自動車の売上がわかれば、そのうちの何割かが電気自動車の売上であると考えることでできます。

よって、初めに立式できる数式は以下のようになります。

日本における年間の電気自動車の売上
=日本における年間の自動車の売上台数
 × 電気自動車が占める割合 × 電気自動車の単価

日本における年間の自動車の売上台数ですが、これは現時点で何台の自動車が保有されているのか、という値から買い替えの頻度を考慮することで求めることが出来ると考えます。自動車の保有台数は世帯数に相関があるものと考えると、さきほどの数式は以下のように変換することが出来ます。

日本における年間の電気自動車の売上
=日本の世帯数 × 自動車保有率 

 × 世帯当たりの自動車保有台数 × 買い替え頻度(年間)
 × 電気自動車が占める割合 × 電気自動車の単価

これで、基本的なApproachが決まりました。

セグメントを考える

基本的な数式は立式出来ましたが、これらの数式に代入していく値はセグメントごとに異なることが考えられます。

特に、自動車保有率、世帯当たりの自動車保有台数は都市部に住んでいるのか、地方に住んでいるのかによって差異があると考えられるので、各世帯が住居を構える場所が都市部か地方か、という観点をセグメントに活用していきます。

自動車の買い替えの頻度も、都市部の人のほうが早く買い替え、地方の人は長く使うといった違いが予想されるので、この部分もセグメントごとに数字を変えていきたいと思います。

数値代入

基本数式に対してセグメントを考慮し、マトリクスでまとめなおしたものが以下のようになります。

画像の中で示しているとおりですが、世帯数は日本の人口1.2億人に対して、世帯当たりの人数は2.5人なので合計は4800万世帯として、都市と地方は半々でこの世帯数を分けていると仮定しました。

自動車保有率については、地方では100%、都市では10人に3人の割合ということで30%としています。

世帯当たりの保有台数は、都市では1世帯1台、地方では10世帯あれば半数は1台、のこりはんすうは2台持っているというケースを想定し、1.5台としています。

買い替えの頻度は、都市部では車検の切れる7年、地方ではそれよりも少々長い期間を持つという考えで、感覚値ですが2年をプラスして9年としました。

また、電気自動車は相当に普及率が低いという話を聞いたことがあるため、プラグインハイブリッドを含めたケースで全体の1%、純粋に電気のみを用いる電気自動車は全体の0.3%であると仮定し、単価については日産リーフの例をとって約300万円としました。

このマトリクスの内容に従って、数値を計算していくと、結果は以下のようになります。

  • 都市部
    • 自動車の買い替え台数(年間):100万台
  • 地方
    • 自動車の買い替え台数(年間):400万台
  • 合計
    • 自動車の買い替え台数(年間):500万台
    • 電気自動車の販売台数(年間):3000台
    • 電気自動車の売上金額(年間):90億円

検証

感覚に照らし合わせてみた結果

今回求めたものは電気自動車の売上でしたが、途中の計算過程で得られた、自動車の買い替え台数については、日本国内における自動車の販売台数は年間520万台という数値があるため、この部分はある程度確かな推定が出来ていると考えます。

あとは、電気自動車が全体に占める割合と単価が正しければ、これらの数値を用いて得られた売上金額も正しそうだと考えられます。

ただ、年間の電気自動車の販売台数が3000台というのは思っていた以上に少ないので、可能性としては電気自動車が占める割合については、実態以上に低い水準を設定してしまっている可能性があります。

実際の結果

実際に、結果を調べてみると、自動車の販売台数はこちらにある通り2019年時点で520万台、そして電気自動車の販売台数はこちらにある通り2019年時点で年間約2万台であることが分かりました。

全体としてはいまだ低水準ではあるものの、割合としては約2%が電気自動車を購入しているという計算になります。

売上の金額については、公開情報で簡単に確認できるものがなかったため、今回の検証はここまでとします。

おわりに

今回のフェルミ推定では、電気自動車が自動車の買い替えの際に選ばれる割合の部分を誤ってしまったので、売上金額も誤ってしまっていることになりますが、感覚として年間で3000台というのは少ないな、と感じた点は当たりでした。

面接の中では、実際に「少ないな」と思った場合にはどこかに誤った数値の設定があるはずなので、どこが誤っていそうか、見直しをしてみるということも面接の中でやってみると良いかと思います。

ちなみに、日本は世界の先進国に比べて電気自動車の普及率が低いようで、欧州全体では12%が電気自動車なんだそうです。ソースはこちらの記事。

ノルウェーなんか、60%以上が電気自動車だという話ですから驚きですね。

フランスに自動車関係のプロジェクトで出張したとき、結構電気自動車が普及してるなー、という感覚を得たものでしたが、それでも普及率は約6%だったというのが意外でした。

身近な題材を用いるとフェルミ推定も楽しいですね。今後もやっていて面白いフェルミ推定を取り上げていこうと思います。

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