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[コンサル]高層ビルの総工費は?[フェルミ推定]

投稿日:

現在、総合コンサルティングファームで勤めている私ですが、次は戦略ファームにチャレンジしたいと思っています。

こちらの投稿では、コンサルティング業界では転職時に対策が必要になるフェルミ推定を実際に行っていく過程を例題を取り扱いながら、お伝えしていきたいと思っています。今回のお題は「高層ビルの総工費はいくらか?」です。

想定する読者

  • コンサルティングファームへの就職を考えている就活生
  • コンサルティングファームへの転職を考えているコンサル未経験の社会人の方

メリット

  • 面接に向けての練習問題として活用できる
  • 面接の場で問題に対してどのようにアプローチしていくべきかがわかる
  • 面接の場でどのように話をするべきなのかが参考にできる
  • 面接の場で問題を解いていくのと同時にどのような説明をするべきかがわかる

それでは、実際に面接の場で問題が出されたと仮定して、面接官と話しているようなイメージで以下、書いていきます。

前提の確認

やり取り(例)

自分「まず、前提の確認をさせて頂きたいと思います。今回求めるものは高層ビルの総工費という理解ですが、高層ビルについてイメージを確認させて頂きたいと思います。具体的には丸ビルをイメージして総工費を推定していきたいと思いますが、よろしいでしょうか。」

面接官「はい、丸ビルであれば、高層ビルととらえて頂いて問題ありません。」

自分「ありがとうございます。それでは、丸ビルを参考に、高層ビルの総工費を求めていきたいと思います。」

具体例を確認する

今回のお題は高層ビルの総工費ですが、人によって高層ビルというものはイメージが異なるものになると思いましたので、ここでは確認を入れています。

地上20階建てをイメージしておくべきなのか、それとも30階か、という点を面接官と認識合わせをするべく、ここでは丸ビルという具体例を用いました。

自分が具体的な数値をイメージできるものを選択するとよいでしょう。

丸ビルって何?という方はこちら。丸ビルは東京都丸の内にあるビルで、地上37階、地下4階のビルです。コンサルティングファームの方であればイメージがわくと思い、共通認識を得やすいものとして選択しています。

ちなみに、日本では高層建築物は地上6階以上のものを指すようです。へー、そんなもんなんだ、って感じですね。

アプローチの策定

やり取り(例)

自分「では次に総工費を求める方法について確認をさせて頂きたいと思います。方法としては、原材料、人件費、建築器具などを個別に見積もり、積み上げていく方法もありますが、建築会社が概算見積もりを提出するときの方法としては、建築対象の延べ床面積と面積当たりの建築費用を掛けて算出する方法もありますので、今回はこちらを採用したいと思います。」

自分「高層ビルの延べ床面積は、階数と1フロア当たりの延べ床面積をかけることで算出し、延べ床面積当たりの建築費用は、建築対象の構造、つまり鉄骨造なのか、鉄筋コンクリートなのか、あるいは鉄骨鉄筋コンクリートなのか、といった内容によって異なりますが、高層ビルは鉄骨鉄筋コンクリートであると仮定し、1平方メートル当たり約40万円が必要として計算をしていきたいと思います。」

面接官「アプローチについては問題ないかと思います。鉄骨鉄筋コンクリート造の建物について、1平方メートル当たり約40万円という数値についてですが、これには根拠はありますか?」

自分「はい、こちらの数字は、国税庁の共有している地域別、構造別の工事費用の情報です。国税庁は固定資産の取得価額に関する指針を出していて、その一つとして工事費用の情報を提供しています。今回は、こちらを用いて推定をしていきたいと思います。」

面接官「わかりました、それでは進めて下さい。」

総費用の算出方法

ここでは、具体的に丸ビルをイメージしながら、総費用を求めるアプローチを決めています。

総費用を求める方法としては、必要になる材料、作業、器具備品などを列挙して積み上げる方法が第一に考えられますが、列挙するという作業に時間がかかり、列挙した項目ごとに単価や数量を設定していくことになってしまうので、結構大変な作業になりがちです。

たとえば、1フロアごとに鉄骨、コンクリート、壁紙、断熱材、防音材、空調設備、水道、などなどがどれくらい必要で、そしてそれ等の単価を求めていかないと全体の金額はわかりません。不可能ではないですが、かなり大変な作業になりそうだというのはわかりますよね。

今回は、高層ビルの建築に係る総工費なので、延べ床面積と単位延べ床面積あたりの建築費用を掛けることで算出ができそうだと考え、そちらを採用しています。なお、面接官には他の方法があることも承知の上で、こんかいはあえてこちらを選択している、ということを伝えています。

構造別の建築費用

建物の構造別の建築費用なんか知らん、という方がいるかもしれません。私は、不動産投資に興味を持っているので知っていたのですが、その内容を以下に記述します。こちらに記載のある情報のうち、東京のケースを活用させて頂いております。

構造建築費用
木造20万円/㎡
鉄骨造(S造)30万円/㎡
鉄筋コンクリート(RC造)32万円/㎡
鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)40万円/㎡

こんなの覚えていられないよ、という方は、具体的に建物をイメージしながら覚えておく、あるいは面接の中で推定をするとよいかもしれません。

今回のやり取りの例では、知っていることを前提として進めていますが、もし面接の中で推定をしていく場合には、それぞれ以下のようになるかと思います。

  • 木造2階建て、20㎡のワンルーム×6部屋で大体2500万円くらい
    ⇒2500万円/(20 ㎡ ×6) = 約20万円/㎡
  • 鉄骨造3階建て、40㎡の1K×9部屋で大体10,000万円くらい
    ⇒10,000万円/(40 ㎡ ×9) = 約30万円/㎡
  • 鉄骨造と鉄筋コンクリートは大体一緒!として約30万円
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造5階建て、50㎡の1LDK×15部屋で大体30,000万円くらい
    ⇒30,000万円/(50 ㎡ ×15) = 約40万円/㎡

数値の代入

やり取り(例)

自分「それでは、先ほどご説明したアプローチに従って、数値を入力していきます。」

自分「まず、高層ビルの階数ですが、こちらは丸ビルをイメージして進めておりますので、地上37階、地下4階を合計し、約40階とさせて頂きます。」

自分「次に、フロアの延べ床面積ですが、これは端から端まで歩いてどのくらいかかるか、という感覚値から推定していきます。丸ビルの商業フロアは正方形として、歩いて2分で横断できると考えます。商業フロアなので歩くスピードは通常時の分速80メートルよりも遅く、半分の分速40メートルとすると、正方形の一辺が80メートルとなり、面積としては6,400㎡となりますが、計算を簡単にするため、6,000㎡とします。」

自分「これらの数字を用いると、丸ビルの総工費は、6,000㎡/階×40階×40万円/㎡=960億円となります。」

数字は簡単にして計算する

ここでは具体的に数字に落とし込むところ迄を取り扱っていますが、積極的に数字は簡単なものにしていきます。

地上37、地下4だと合計41ですが、丸めて40階ということにして、また面積も6400を6000としています。

徒歩のスピードの基本は分速80メートル

正直、私はこの数字には懐疑的なのですが、徒歩のスピードは分速80メートルであるということにしておきます。Google Mapもこの数字を基準といて到着時間を計算しているそうです。

ただ、建物の中を歩くときなどはこれよりも遅くなることが予想されましたので、適宜調整を図るとよいでしょう。今回の例では、商業フロアを見て回るときは半分のスピードだとしています。

数字の取り扱いとしては、すこし遅く歩いて分速50メートル、そして2分かかるので100メートルの距離、とするとさらに数字が扱いやすくなりますが、ここは全体への影響がかなり大きい部分なので、丸めは行いませんでした。(6400㎡と10,000㎡とではかなり数字に違いが出てきますからね)

数値の検証

やり取り(例)

面接官「有難うございます。この数字が現実的なものかを検証する方法としては、どんなことが出来るでしょうか。」

自分「検証方法としては、こちらの数字を基準として別の数値を推定し、そちらの値が感覚に合うかを確かめる、という方法があるかと考えます。
具体的には、こちらの総工費のうち、人件費に着目し、一人当たりの単価が感覚に合うかどうか、大きく外れていないことを確認することで、数字の確からしさが検証できると思います。」

面接官「実際に検証をして頂けますでしょうか」

自分「もちろんです。960億円という総工費のうち、人件費は20%を占めるとすると、約200億円が人件費となります。建設期間は2年、24カ月とすると、1月で約8億円が人件費に相当します。」

自分「建設に関わる人員が平均で1,000人とすると、1月の一人当たりの単価は80万円となり、1月に稼働が20日とすると、1日当たりで4万円となります。一日あたりの人件費は2万円~3万円程度が相場だという話を聞いたことがあるので、得られた4万円という数字は少々大きいですが、こちらは誤差の範囲内かと考え、総工費960億円は大きく外れた数字ではないと推察します。」

検証の方法の一つは、別の数字を求めて感覚値と比較すること

正直、この検証のステップ、あまり得意ではないのでいまいちかもしれませんが、検証の方法の一つは、得られた結果をもとにして、さらに別の数字を求めてみて、その数字が確からしさを確認するという方法です。

今回は、ビルの建設に関連する人件費であれば感覚的に2万円~3万円くらい、という数字が頭にある状態で、それと近くなるかどうかを検証してみました。

人件費にたどり着くまでに総工費に占める人件費の割合、建設にかかわる人員数、建設期間、と複数の数字をさらに仮設ベースで設定してしまっているので、結果として得られた人件費一人当たり、一日4万円という数字も正直、不確かさが残るのですが、まぁそこはご容赦ください。

実際の面接の場で、他にどんな方法がありますかね?と聞いてみるのもいいかもしれません。

実際の数字

ちなみに、丸ビルについては総工費について情報が見つからなかったのですが、新丸ビルについてはWikipediaに情報が載っていました。

こちらがWikipediaの情報になりますが、新丸ビルの総事業費は900億円だそうです。総事業費という表現なので総工費とは異なりがあるかもしれない点と、そもそも丸ビルではなく新丸ビルの数字なのですが、今回得られた数値は、そこそこいい結果なのではないかと思います。

新丸ビルは階層については丸ビルとほぼ同じで地上38階地下4階(丸ビルは地上37階地下4階)で、延べ床面積は新丸ビルのほうが広く、195,000㎡(丸ビルは159,000㎡)とのことでした。

丸ビルは41階なので、延べ床面積を割ってみると、1フロア当たり約4000㎡となります。計算に使っていた数字は6000㎡なので、実際はもう少し狭かったようです。

徒歩で1分半あたり、ということにしておいたら、丸ビルの1フロアは分速40メートル×1.5分=60メートルで歩けるので面積は3600㎡、約4000㎡、とすることができますね。たしかに、歩いて2分もかからないかもしれません。

終わりに

さて、今回のフェルミ推定はいかがでしたでしょうか。

構造別の建築費用などは知らない方も多いとは思いますが、すぐに積み上げ方式でのアプローチを採択するすると、計算が大変になり、おそらく時間内に終らない結果になると思います。

問題にアプローチする際には、できる限り「A+B+C+D・・・」よりも「〇〇×〇〇」で推定していくことができないか、考えるようにするとよいと思います。それでも、他に思いつかない場合は積み上げまくるしかないですが・・・

今回の例が参考になりましたら幸いです。

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