皆さん、Sales Force(SFDC)、使っていますか?
私は現在スタートアップで働いているのですが、取引先や商談の管理はSales Forceで行っています。
企業によって使用用途や使用目的はいろいろあると思いますが、Sales Forceが標準で備えている項目で十分、ということはあまりなく、
カスタム項目を追加することはよくあるのではないでしょうか。
実際に私も現職で社内に統制をかける目的でいくつか必要になった項目をカスタム項目として追加しています。
特に便利だなぁと感じたのが、関連するオブジェクトの数値を集計(合計する、件数を数える、最大値をとる、最小値をとる)する集計項目と、
関連するオブジェクトの数値を用いて四則演算を行う数式項目です。
こちらの投稿では、これらの集計項目と、数式項目をカスタム項目としてSales Forceに追加する方法、そしてそれらを画面に配置する方法をご紹介したいと思います。
Agenda
想定読者
- Sales Forceを社内で使用していて、項目追加をしたいと思っている方
- Sales Forceの使用を検討していて、項目追加の柔軟性を知りたい方
メリット
- Sales Forceにカスタム項目として集計項目、数式項目を追加する方法がわかる
- Sales Forceの画面レイアウトの変更方法がわかる
参考:与信管理目的の項目追加もできる
ちなみに私の会社ではSales Forceに対して、AppExchangeからSoarizeという販売管理・購買管理のパッケージをインストールしており、
CRMだけではなく基幹業務の大半を Sales Forceを母艦として管理しています。
販売管理の観点で与信管理を実現するためにカスタム項目を追加したのですが、実施したのは以下の通りです。
- 取引先に与信上限をカスタム項目(数値項目)として追加
- 取引先に受注済みの商談金額をカスタム項目(集計項目)として追加
- 取引先に入金済みの商談金額をカスタム項目(集計項目)として追加
- 取引先に与信額をカスタム項目(数式)として追加し、
(受注済みの商談金額 - 入金済みの商談金額 )を表示
これらの項目を追加したうえで、新規に作成された商談の金額と与信額の合計が与信上限を超えていたらアラートを出すようにプロセスビルダーで設定しました。
工夫次第で、こういったこともできるようになるのがSales Forceの面白いところです。
使い始める前は、こんなに柔軟だとは思っていませんでしたので、驚いています。
項目を追加したいオブジェクトの
「オブジェクトマネージャ」を開く
まずは、項目を追加するための画面に移動する必要があります。
その画面がオブジェクトマネージャというのですが、こちらの画面はSales Force上のオブジェクトの設定を変更するための画面です。
したがって、項目を追加するときは、その追加する先のオブジェクトの、オブジェクトマネージャを開く必要があります。
オブジェクトマネージャに移動する方法は2つです。以下、2つの方法について説明します。
- 項目を追加したいオブジェクトを開く
⇒設定をクリックする方法 - 設定
⇒オブジェクトマネージャ
⇒項目を追加したいオブジェクトを検索する方法
項目を追加したいオブジェクトを開く
⇒設定をクリックする方法
- 項目を追加したいオブジェクトを開いておく(ここでは取引先)
- 画面右上の「設定」をクリック
- 「オブジェクトを編集」をクリック
- 項目を追加したいオブジェクトのオブジェクトマネージャへ遷移する
設定
⇒オブジェクトマネージャ
⇒項目を追加したいオブジェクトを検索する方法
- 画面右上の「設定」をクリック
- 「設定」をクリック
- 画面左上の「オブジェクトマネージャ」をクリック
- クリック検索フィールドに項目を追加したいオブジェクト名を入力して検索(ここでは取引先)
- 項目を追加したいオブジェクトのオブジェクトマネージャへ遷移する
「項目とリレーション」から新規をクリックし、追加する項目を定義する
- 「項目とリレーション」をクリック
- 「新規」をクリック
- データ型を選択し、「次へ」をクリックする
用途にあわせて様々なデータ型を選択することができますが、本投稿では次のステップとして、
集計項目を作成したい場合と、数式項目を作成したい場合の2つに分けて記述します。
集計項目を作成したい場合
例:取引先ごとに作成されている商談の金額の合計を表示する
(最大値、最小値、件数も可能)
- データ型に「積み上げ集計」を選択し、「次へ」をクリック
- 「項目の表示ラベル」(画面に表示される名称)を入力
- 「項目名」(システム内部での管理、数式での計算などに使用)を入力
- 「次へ」をクリック
- 「集計対象オブジェクト」を選択(ここでは、取引先に関係する商談を選択)
- 積み上げ種別を選択(ここでは、合計を選択)
- 集計する項目を選択(ここでは金額を選択)
- 集計対象の検索条件がある場合は 「一定の条件を満たすレコードのみ計算に含める」を選択する
- 検索条件として「項目」と「演算子」を選択し、
- ルックアップのボタン(虫眼鏡)をクリック (ここでは、例としてフェーズが特定の文字列である場合に集計対象とするように設定)
- ルックアップウィンドウ内で、検索条件に使用する項目を選択
- 「選択したものを挿入」をクリック (今回は、受注までフェーズの進んだ商談を集計するように項目を選択)
- 元の画面に戻り、「次へ」をクリック
- プロファイルに対するアクセス権限を設定し、「次へ」をクリック (今回は、だれでもアクセスできるようにするためそのままとしている)
- 項目を追加するページレイアウトを選択し、「保存」をクリック (今回はすべてのページレイアウトへ追加するためそのままとしている)
数式項目を作成したい場合
例:取引先ごとに設定されている与信上限金額から受注済み(かつ入金前)の金額を差し引き、与信残高を計算したい
- データ型に「数式」を選択し、「次へ」をクリック
- 「項目の表示ラベル」(画面に表示される名称)を入力
- 「項目名」(システム内部での管理、数式での計算などに使用)を入力
- 数式による計算結果として画面に表示させる戻り値のデータ型を選択(ここでは通貨を選択)
- 「次へ」をクリック
- 計算に使用する項目を入力するため、「項目の挿入」をクリック (ここでは、与信上限金額 – 商談_受注総額を計算する)
- 「与信上限金額」を選択し、「挿入」をクリック(この項目はSoarize提供のカスタム項目)
- 「演算子の挿入」をクリックし、計算に使用する演算子を選択 (ここでは、 - (減算)を選択)
画面右に関数がリストアップされていますが、これを使用して計算することももちろん可能です。
- 「商談_受注総額」を選択し、「挿入」をクリック (この項目は集計項目として作成したカスタム項目)
もちろん、カスタム項目として追加した項目を選択して、数式の計算対象にすることもできます。
- 「構文を確認」をクリックして、数式に問題がないことを確認し、「次へ」をクリック
- その後、アクセス権限、ページレイアウトへの割り当てを設定し、「保存」をクリック (集計項目を作成したい場合と同様のため、割愛)
追加した項目の画面上の配置を指定する
- 追加した項目はBasic Informationに追加されている状況
- オブジェクトマネージャから、「ページレイアウト」をクリック
- 変更するページレイアウトを選択 (ここでは、取引先ページレイアウトを選択)
- ドラッグアンドドロップで、好きな場所に配置を変更
終わりに
いかがでしたでしょうか。
結構簡単に設定できる点に驚かれる方も多いのではないでしょうか。
関数の詳細などには触れませんでしたが、工夫次第ではいろいろなことができそうです。
2013年に営業をしていたころ、Sales Forceを使っていましたが、今のような使い方ができるとは思いもしませんでした。
Sales Force、ファンになりそうです。
今後も、承認プロセスの作成方法やプロセスビルダーの使い方などなど、投稿していきたいと思います。