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【SAP MM解説】マスターデータの基本と作成方法【View、組織レベル】

皆さん、こんにちわ。SAP触っておりますでしょうか?

こちらの投稿では、SAPのMMモジュール、Materials Managementにおけるマスターデータの基本と作成方法を解説します。

MMモジュールは、SAPでは資材購買管理に活用されるモジュールであり、原材料を仕入れる・発注する、受領する、在庫を管理する、請求書を受領して会計転記する、といった業務シナリオを実行します。

今回取り扱うテーマは、MMで活用するマスターデータです。

MMで用いるマスターデータの基本について解説しますが、その前にSAPのマスターデータが持つ基本的な概念についても触れ、その後マスターデータの作成方法をご紹介します。

マスターデータは非常に奥が深く、様々な項目を持ちます。したがって、全ての項目をこの投稿でカバーすることはせずに、まずは基本的な項目のみを扱います。必要に応じて、今後解説の必要が生じた場面でマスターデータが持つ項目も解説を行います。

また、例としてご紹介する画面イメージはSAP GUI for Windowsを活用したものとなっておりますので、ご了承ください。

MMの持つマスターデータの基本

MMではどのようなマスターデータを持つのでしょうか。まずは基本として、以下の4つがあるということを理解しましょう。

  • Material Master(品目マスター)
  • Business Partner(取引先マスター)
  • Purchasing Information Record(購買情報レコード)
  • Source List(供給元一覧)

マスターデータにはView(ビュー)というものがある

MMに限らず、SAPの持つマスターデータは、関係する業務プロセスに応じた異なるView(ビュー)というものを持ちます。

例えば、購買Viewや会計Viewというものがあるのですが、これらのViewは購買または会計、といった業務プロセスに用いる情報をバラバラにしておくのではなく、ひとまとまりにしておくために存在します。

分かりやすい例として、Material Master(品目マスター)の例をお見せしましょう。

こちらの画像では、まずMaterial Masterのデータとしてどのような情報が設定されているのかを確認しようとしています。その際、Material Masterとして「SB_1001」という品目を指定しました。

その際、ビュー選択というPop Upが表示され、SAPは「どのビューを確認したいのですか?」と画面の前のユーザーに聞いてきます。

これは、Material Masterが様々なViewを持っていることを意味しており、その中でどれを確認したいのか、という点をSAPがきいているということを意味します。

次の画像では、品目「SB_1001」を表示している画面ですが、「基本データ1」の右隣に「基本データ2」、「拡張SPP基本データ」、「購買管理」、「国際取引:輸入」、と続いているのがお分かりになるかと思います。

Material Masterの場合は、Viewがこのように表示され、その中でViewに関係する情報がひとまとまりになっています。

購買に関係する情報を確認したいと思っているのに、その情報がシステム内、あるいは場面上の様々なところにバラバラに散らばっていると、確認するだけでも非常に手間になりますので、このようにViewを作り、特定の業務に必要な情報だけを効果的に管理しているのです。

Viewはマスターデータに応じて様々に変化しますが、一般的な例としては、業務プロセスに関係なく基本的な情報としてまとまっている基本View、購買に活用する購買管理View、会計に関係する情報をまとめている会計Viewといったものがあります。

また、各Viewの中に格納されているデータのことを、それぞれ基本データ、購買管理データ、会計データ、と呼ぶことがあります。

マスターデータには組織レベル(Organizational Levels)というものがある

マスターデータには、組織レベル(Organizational Levels)というものもあります。

組織レベルは、データがSAP内の組織のどの範囲で適用されるかを定義するためのものとなっています。この組織レベルを理解するために、まずSAPの持つEnterprise Structure(企業構造)について触れましょう。

Enterprise Structureとは

SAPの持つEnterprise Structureは、企業がどのように構成されているのかを示したものです。多くの企業が持っている組織体制図を、SAPの文脈で整理したものとも言えます。

MMモジュールが関係する部分としては、Enterprise Structureを構成する要素は以下のようなものとなります。

  • Company
  • Company Code
  • Purchasing Organization
  • Purchasing Group
  • Plant
  • Storage Location

これらの要素が、お互いに紐づく/関係を持つことでEnterprise Structureが形成されます。

各要素の定義と、それらが他の要素とどのような関係を持つのか、という点を簡単に解説しましょう。

Company (企業)

企業全体の連結財務報告を行うための単位であり、複数のCompany Codeをまとめることがあります。

一つのCompanyは複数のCompany Codeを持つことができますが、各Company Codeは一つのCompanyに属します。

Company Code (会社コード)

最小の独立した財務会計単位で、独自のバランスシートと損益計算書を持つことが出来ます。Companyが親会社で、Company Codeが子会社、あるいは支社、という位置づけで整理することがあります。

一つのCompany Codeは複数のPlantを持つことができますが、各Plantは一つのCompany Codeに属します。

Purchasing Organization (購買組織)

購買活動を管理する単位であり、購買契約の交渉、サプライヤーとの取引条件の設定を行います。一つのPurchasing Organizationが複数のCompany Codeに属することも、一つのCompany Codeが複数のPurchasing Organizationを持つこともあります。

支社はたくさんありCompany Codeが複数あるが、集中購買を行うためPurchasing Organizationは一つだけ、といったケースもあれば、購買の対象が持つ性質(原材料、半完成品、またはサービス)が違う場合は1つのCompany Codeの中でもPurchasing Organizationが複数に分割される、というケースもあります。

これと同様に、一つのPurchasing Organizationが複数のPlantに属することも、一つのPlantが複数のPurchasing Organizationを持つこともあります。

Plant (プラント)

製造、流通、サービス提供の物理的な場所や部門、工場や物流の拠点を指し、生産計画や在庫管理を行います。

一つのPlantは複数のStorage Locationを持つことができますが、各Storage Locationは一つのPlantに属します。

Storage Location (保管場所)

プラント内での在庫の保管場所であり、具体的な在庫の物理的な配置を管理します。

一つのStorage Locationは一つのPlantに属しますが、一つのPlantは複数のStorage Locationを持つことができます。

Purchasing Group (購買グループ)

特定の購買活動を担当する個人またはチームで、購買依頼や発注書の処理を担当します。

Purchasing Organization:一つのPurchasing Groupが複数のPurchasing Organizationに属することも、一つのPurchasing Organizationが複数のPurchasing Groupを持つこともあります。

アメリカ支社と日本支社ではPurchasing Organizationをそれぞれ持つが、ITサービスに関しては2つのPurchasing Organizationを横断して担当するチームを持つ、というときにPurchasing Groupが1つとなる、というケースがあります。

Enterprise Structureの構成要素である組織(Organization)のどこでマスターデータを活用するのか

このように、SAPはEnterprise  Structureを持ち、その構成要素であるCompany、Company Code、Plant、等は組織(Organization)と呼ばれます。

マスターデータを作成するときは、そのマスターデータを活用するのはどの組織になるのか、という点が重要となります。アメリカ支社では活用しないが、日本では活用する、というときには日本のCompany Code、Plant、Purchasing Organizationだけで活用出来るように設定をしなくてはいけません。

このようにどの組織で活用出来るかを指定するために、組織レベルというものがあります。

Material Masterの例を見てみましょう。こちらの画像では、「SB_1001」という品目の購買管理のViewを見てみようとしていますが、Pop Upによって、組織レベルについて聞かれています。

ここでは、どのプラントの情報を確認するのか、とSAPに聞かれていることを意味します。

選択できるプラントの値としては「1010」と「1710」の2つが表示されているので、この2つの拠点では購買が出来るが、その他では出来ないという設定がされていることが分かります。

Viewと組織レベルは紐づいている

組織レベルはマスターデータが持つViewそれぞれに選択されるものが決まっています。

例えば、Material Masterの購買管理Viewであれば、組織レベルはPlantを選択することになります。Purchasing Information Recordの購買組織データ1であれば、組織レベルはPurchasing OrganizationとPlantの2つを選択することになります。

組織レベルを選択しなければ、マスターデータが持つ基本的な情報だけが存在する基本データ1View等だけしか閲覧、編集することは出来ません。

MMモジュールの持つマスターデータ概要

前置きが長くなりましたが、ここからはMMモジュールが持つ主要なマスターデータの概要を説明していきます。

Material Master(品目マスター)

Material Masterは、SAPのなかで品目(Material)に関する情報を一元管理するためのマスターデータです。Material Masterは、多くの業務プロセスで使用されるため、その設定は非常に重要です。簡単に、どのようなデータを持つのかという点を触れておきます。

  • 基本:品目番号、品目タイプ、品目グループなど、品目の基本的な識別情報
  • 購買:購入組織、購買グループ、発注単位、納入リードタイムなど、購買に関連する情報
  • 在庫:在庫管理場所、在庫単位、最低在庫数、再注文点など、在庫管理に関連する情報
  • 会計:標準原価、移動平均原価、価格決定方法など、会計処理に関連する情報。

Business Partner(取引先)

Business Partnerは、SAPシステム内で取引先に関する情報を一元管理するためのマスターデータです。Business Partnerには顧客、サプライヤー、従業員などの様々な役割が含まれますが、ここではサプライヤー(Supplier)に焦点を当て解説します。

  • 基本:サプライヤー番号、名前、住所、連絡先情報など。
  • 購買:購買組織、取引条件、支払い条件、配送条件など。
  • 会計:支払い方法、勘定科目、税情報など。

Purchasing Information Record(購買情報レコード)

Purchasing Information Recordは、特定の品目とサプライヤーの組み合わせに関する情報を管理するマスターデータです。特定のサプライヤーから特定の品目を購入する際の条件、とくに発注数量や価格などを記録できます。

  • 基本:品目番号、サプライヤー番号、購入組織など。
  • 価格:価格、有効期間、価格条件など。
  • 納期:標準納期、最短納期、最長納期など。
  • その他:注文単位、最小発注数量、最大発注数量など。

Source List(供給元リスト)

Source Listは、特定の品目に対する供給元(サプライヤー)を管理するためのマスターデータです。供給元リストにより、特定の品目をどのサプライヤーから購入するかを定義できます。

  • 品目:品目番号、購買組織、プラントなど。
  • サプライヤー:サプライヤー番号、供給元ステータス(固定供給元、選択供給元など)など。
  • 有効期間:供給元リストの有効期間の開始日と終了日。
  • その他:購入量契約、特定の供給元からの優先順位など。

オペレーション解説:マスターデータの作成

それではここから、MMで活用するマスターデータの作成方法を解説します。MMのメインのシナリオである、購買管理が出来るようにする、という意味でマスターデータの項目を入力していきます。

Material Masterの作成方法

それではここから、Material Masterを作成してみようと思います。まずはTransaction Code:MM01を入力します。トランザクションコードを知らない、忘れた、という方はGoogleで「Material Master Creation Transaction Code SAP」などと検索するとすぐにヒットすると思います。

「MM01」と入力してEnterを押すと、Material Master作成の初期画面に移りますので、品目、産業コード、品目タイプを入力します。ここで「品目」と日本語で記述がありますが、意味としては品目コード、番号のことを意味しますので、品目の名称は入力しないでください。品目の名称を入力するための別の項目があります。

Enterを押すと、ビューの選択を求められます。まずは購買行為が出来るように、ということで基本データ1、購買管理、一般プラントデータ/保管1、さらに会計1を選択します。

なぜこの4つを選ぶのかと言えば、基本データ1 Viewは必須であるため、購買管理Viewは購買行為が出来るようにするため、一般プラントデータ/保管1Viewは購買したものを保管する場所の情報を登録するため、会計1 Viewは購買行為による会計関係の情報を登録するためです。

会計1は画像の中では表示されていませんが、スクロールすることで選択しています。

どの組織で作るかと聞かれるので、プラントと保管場所を指定します。 評価タイプはブランクにしておきます。

組織レベルを指定したら、Enterを押して次に進みます。

画面がこのように広がっていきます。はじめに表示されているのは、基本データ1Viewです。

テキスト、基本数量単位、品目グループを入力します。

テキストは、品目の名称を入力する箇所となります。ここでは、原材料である銅線を作りたいので、「Copper Wire」としておきます。

基本数量単位には、「その品目はどのような数え方をするか?測り方をするか?」という問いへの答えを入れます。銅線ですと、1本、2本、という数え方が出来そうですが、購買管理で使えるようにすることを考えると、事前に1つがどれくらいの長さと本数になるのか、という定義をしておくということが想像できるので、基本数量単位には「PC」を選択します。

また、品目グループには「L002」を選択しておきます。

品目グループは、言葉の通り品目をグルーピングするためのものです。銅線は原材料をイメージしているので、ここではSAPが事前に定義しているパラメータの中から選びます。 更に画面をスクロールダウンしていくと、重量を入力する箇所があるので、総重量も正味重量も10KGであると入力します。

正味重量というのは、品目単体の重さのことを意味し、総重量というのは梱包材などを含めた重さを意味します。梱包はしない状況を想定し、これら2つは同じ数字にしておきます。重量単位には、KGをして言います。

更にスクロールすると、「基本データテキスト」というボタンが登場します。

これをクリックすると、言語別にどのようにテキスト情報、すなわち品目の名称を表示するかを設定できます。

日本語が標準で選ばれ既に入力済みでしたが、英語も定義しておきます。どちらも、「Copper Wire」とします。

基本データ1Viewでの項目入力を終えたので、購買管理ビューに移ります。

購買管理ビューでも、基本データ1ビューに入力したテキスト、基本数量単位、品目グループ、といった項目が引き継がれている点が分かります。 ここでは、購買グループを選択して入力しておきます。

購買管理Viewではこれだけでいいのですが、ここでView選択をしていなかったViewも登録してみましょう。購買管理の2つ隣にある、「購買発注テキスト」を選択します。

Viewの選択時にはこのViewは選んでいませんでしたが、このように途中から編集したいViewを指定することも出来ます。今回は、この「購買発注テキスト」Viewは「購買管理」Viewと同様に組織レベルはPlantとなるので、組織レベルを指定するためのPop Upは表示されませんでした。

購買発注テキストは、特に購買発注を行う際に表示される品目のテキスト情報を言語別に整理しておくことが出来る、というものです。日本語に加え、英語を設定します。

ちなみに、なぜ基本データ1Viewの時と同様にここで日本語だけではなく英語の設定をしているのかというと、この品目を取り扱うことが出来る組織レベルとして設定したPlantがアメリカの拠点であるという設定を持っており、アメリカでは当然ながら言語が英語で設定されていることが理由です。

アメリカで扱えるものとするには、当然品目の名称が英語で設定されている必要があります。日本語の設定で、「Copper Wire」という英語を入力しても、それは日本語の設定なので、英語の設定がされていない、という状況になってしまいます。こうした事態を回避するために、ここでは英語の設定を追加しました。 それではEnterを押して、プラントデータ/保管1Viewに移ります。

ここでは、保管条件を選択して入力します。

保管条件とは、在庫をどのような環境下で保管するか、という条件を意味します。温度や場所、必要となる特殊な措置があれば、それをこの保管条件で指定する、ということになります。

ここでは、SAPによって事前定義されている項目を選んでいます。 それでは最後に、会計1Viewに移ります。

評価クラスを、原材料を意味する「3000」にしておきます。

評価クラスというのは、品目を会計の観点で分類するための情報であり、原価計算や、仕訳を自動化するために活用されている項目となります。

評価クラスの裏には、会計転記の際に活用される勘定科目が紐づいており、ここで原材料を意味する「3000」を指定しておくことによって、購買発注の結果として入庫が行われた際に「原材料在庫」といった勘定科目が活用されるという仕組みになります。 ここでEnterを押すと、選択していたビュー全てで項目を入力し終えているので、このような画面になります。そのまま保存しますので、「Yes」を押します。

これで、Material Masterが登録されました。

まだ終わりません。この品目を、他のプラントや保管場所でも使えるようにします。

Transaction Code「MM01」で、全く同じことを行います。

品目を指定し、そのままEnterを押すと、どの組織レベルで作るかと聞かれます。ここも、同じViewを選択します。購買発注テキストもここでは選んでおきましょう。

組織レベルを求められますので、先ほど指定したものとは別の組織レベルを指定します。

既にどこで作られているかが確認出来るので、まだ作っていない組織に対して作成を進めます。

プラント、保管場所を指定し、Enterを押します。

既にアメリカのプラントで品目を作りましたので、今回はドイツのプラントで品目を作っている、ということになります。 組織レベルを指定した後の流れは、先ほどの場合と同じです。項目を変更することも出来ますが、変更はかけずに進めていきます。

同じメッセージが表示され、これによって品目がアメリカだけでなく、ドイツのプラントでも活用出来るように設定されました。

BPマスターの作成方法

次に、取引先を意味するBPマスターを作成します。Transaction Code:BPを入力します。

BPマスター作成の初期画面はこのようになります。画面の上部に、個人、組織、グループ、と記載がありますが、これらのうちどれを作成するのかといえば今回は作成するサプライヤーは組織になるので、組織をクリックします。

組織をクリックすると、画面が切り替わり、BPマスターとしてどのような情報を登録するかを入力する項目が表示されます。ここでまず最初に、BP役割(BP Role)というものを指定することになります。

取引先と一言で言っても、サプライヤーなのか、顧客なのか、といった属性が異なることがあります。そうした属性ごとに、登録すべき情報は変わります。

例えば、サプライヤーであればこちらから支払いを行う際の条件の設定が必要になると思われますが、顧客についてはこちらから請求をかける際の条件の設定が必要になるでしょう。

このように、取引先の属性を設定し、その属性に応じて必要な項目に情報を入力していく、という手順をとるために、BP役割(BP Role)というものがあります。 まず、ここではBP役割を選択します。ドロップダウンで選択が出来るので、選択できる候補を確認すると、仕入先(勘定管理)や仕入れ先(財務会計)を選択できることがわかります。まずはビジネスパートナー(一般)から作成することにします。

それでは次に、住所のタブの中にある名称、検索語句を入力します。名称は、この取引先の社名に相当します。検索語句を入力できる項目は2つあるのですが、ここではそのうちの1つを使います。 名称には、「Casa Materials」と入れたかったのですが間違って「Casa Materilas」と入れています。検索語句には「SBVN_1001」と入力します。

検索語句に入力した情報は、文字通り取引先を検索する際のキーワードとして活用が出来るものとなります。BPマスターは作成すると、基本的にはSAPのシステム内で自動採番される番号、例えば1000123等が割り当てられますが、これを覚えておくというのは現実的ではありません。

そこで、覚えやすいキーワードや、社内で使っている番号などを取引先に割り当てて活用しているときはそれをここに入力して活用します。 例えば、発注伝票を作成する際に、サプライヤーの名称を覚えていても、そのサプライヤーが全世界に複数の拠点を持っていたりするとどの拠点から購入するのかと混乱することもあり得ます。そこで、代わりにこの検索語句を活用するケースがあります。

続いて、住所を入れます。

まずはここまでいったん保存します。そうすると、ビジネスパートナーが登録されました。

ここで、SAP内で自動採番される番号がBPマスターに割り当てられました。

登録されたBPマスターを確認してみます。

BPの初期画面に戻り、検索基準に番号を指定した状態で、先ほど登録された番号「1000469」をBus.パートナーの項目に入力して開始をクリックし、検索をかけると先ほど登録したBPマスターが検索結果に表示されます。

自動採番された番号を忘れてしまっている、ということも多いので、検索語句を活用して検索をしてみましょう。検索基準に対して検索条件を選択し、検索語句1あるいは2の項目に検索語句として入力しておいた「SBVN_1001」を入力して開始をクリックすると、検索結果にBPマスターが表示されます。 この検索結果で表示されたBPマスターをダブルクリックすると、そのBPマスターの項目の紹介と変更が可能となります。

現在、このBPマスターが持つBP役割は「ビジネスパートナー(一般)」だけであり、サプライヤーとして使用可能な状態ではありません。そこで、ここからはこのBPマスターをサプライヤーとして活用可能にするため、BP役割を追加していきます。

それでは、検索結果に表示されているBPマスターをダブルクリックします。

現在、このBPマスターを紹介モードで確認しているので、これを変更モードに切り替えます。

変更モードに切り替えたら、このBPマスターのBP役割に仕入先(財務会計)を指定します。

BP役割を変えると、タブが増え、必須入力となる項目が変化したことがわかるかと思います。住所のタブにある、言語に「英語」を指定します。

続いて、このBPマスターを会社コードの組織レベルに拡張します。会社コードというボタンがあるので、ここをクリックします。

画面が切り替わるので、ここで会社コードを入力することが出来るようになります。

画面右の会社コードと書かれているボタンをクリックしてみましょう。

そうすると、今はどの会社コードにも拡張されていないということがわかります。

前の画面に戻り、会社コードを入力する項目で「1710」を選択します。

そうすると、さらに必須入力の項目が変わります。

仕入先:口座管理の項目にある統制勘定に値を入力します。統制勘定というのは、このBPマスターを活用して仕入れ業務を行ったときにどの勘定項目を活用するのか、という情報を指定するための項目です。

通常は、サプライヤーに対して発注をかけ、物品の受領が行われると買掛金を意味する勘定項目を活用します。しかし時には、支払手形などの勘定項目を活用するときもありますし、サプライヤーがグループ内企業だとまた別の項目を活用することがあります。

そうした情報を、BPマスターに登録しておけば、発注の都度指定する必要がありませんので、こうした部分で統制勘定という項目が活用されます。 ここでは、「支払い債務-国内」を選択しておきます。

ソートキーには「009」を入力しておきます。ここでは詳細には説明しませんが、このソートキーは、会計仕訳が起こる際に必要な情報を自動入力するための項目です。

ここで保存すると、変更が保存されたことがメッセージとして出ます。

BP役割を変更して保存した後で、もう一度BPマスターを確認すると、BP役割の記述が変更されていることがわかります。

同じ手順で、BP役割「仕入先(勘定管理)」についても変更していきます。このようなオペレーションを続けていくと、BP役割が増えていきます。

BP役割を「仕入先(勘定管理)」にした状態で、今度は購買組織のレベルにBPマスターを拡張していきます。そのために、購買管理のボタンがあるのでこれをクリックします。

画面が切り替わったら、まずは購買組織を指定します。ここでは「1710」を入力します。

発注通貨と支払い条件を入れ、保存します。 支払条件というのは、サプライヤーに対して発注をかけた際に何日後に支払いを行うのか、という条件を意味します。ここでは、「NT30」を選択しておきます。

これで保存することで、BPマスターがサプライヤーとして活用可能な状況になりました。

Purchasing Information Recordの作成方法

それでは次に、PIRを作ります。Transaction Code:ME11を入力します。

PIRを作成する際は、サプライヤー、品目、購買組織、プラントを指定します。これらを入力して、次へ進みます。 なお、今回は外部からの購入というシナリオでPIRを作成するので、購買情報区分としては「標準」を選択しておきますが、もし外注をかける、といったときには購買情報区分は別のものにしておきます。

このような画面に切り替わるので、必要な情報を入力していきます。

第一回督促の項目には、「-1」と入力します。これは、発注をかけた際、希望納品日を指定するのですが、その日付から1日マイナスした日、つまり前日に納品に対して督促をかけるという処理をする、ということを意味します。

仕入先品目Codeという項目には「SBVN_MAT_1001」と入力しておきます。この項目は、サプライヤーが発注されている品目を理解するための項目です。自社が採番した品目の番号や、名称は、サプライヤーが使用している番号や名称と異なる可能性があるので、そうした場合に備えてサプライヤー側で活用している番号をここに入力しておくことで、発注時に間違いなく情報が伝わるようにする、という意図があります。

続いて、購買組織データ1のボタンをクリックし、画面を切り替え、情報を入力していきます。納入予定日数「10」、購買グループ「001」、標準数量「5」、最低発注数量「1」、最大数量「100」、正味価格「140」「USD」「1」「PC」と入力していきます。

納入予定日数というのは、発注から納品までのリードタイムを意味しており、今発注をかけたら何日後に納品してくれるのか、という情報です。

標準数量は、発注をかける際の通常の発注数量であり、これが「5」ということは、5個以上、あるいは5の倍数で注文するのが通常であるということを意味します。最低発注数量、最大数量は文字通りの意味ですね。 また、正味価格というところでは、何個に対していくらの値段が付くのか、という点を指定しています。

ここまでの情報を入力した後、保存しますと、PIRのレコードが生成されます。

Source Listの作成方法

供給元一覧、Source listを作ります。Transaction Code:ME01を入力します。

品目とプラントを指定して次に進みます。

表形式で、どのサプライヤーから、どの購買組織が購入できるのか、そしてそれはいつからいつまで有効なのか、という情報を入力できるので、これらの情報を入力し、保存します。

以上で、Source listが生成されました。

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