JP モルガンより、毎年出ている夏のReading list、おすすめ本が紹介されていたので取り上げます。英語ですが、興味があるものがあれば読んでみてはいかがでしょうか。
Agenda
J.P. Morgan Summer reading List 2019
Out of the Gobi : My Story of China and America
作者:Weijian Shan / ウェイジャン シャン
世界で最も巨大かつ影響力を持つ2国 - 中国と米国が、経済においてしのぎを削りあうなか、ある一人の男性の人生を通じて2国の関係に光が当てられる。
中国の文化大革命の最中、Weijian Shanが経験した困難と、アメリカにおけるサクセスストーリー。
Weijian Shanという方は、サンフランシスコを拠点とするプライベートエクイティファームであるTPGでパートナーを務め、その後アジアのプライベートエクイティファームであるPAGでCEO兼会長を務めている人です。
現在65歳ですが、毛沢東の文化大革命の時代に生まれたため、小学校を卒業することしかできませんでした。
さらに15歳になったとき、ゴビ砂漠へ追放され、勉強することを禁じられてしまいます。
それでもなお教育についての熱意を捨てず、6年後に北京へ戻り、英語を学んだ後に渡米しMBAを取得、そして投資銀行へと至る物語が描かれています。
すごい人生ですね。
Range:Why Generalists Triumph in a Specialized World
作者:David Epstein
運動能力、音楽、芸術、そして科学に特化していることが業界におけるエリートとなる鍵であると信じられてきた。
Rangeでは、この考えを改め、ジェネラリストがいかに優れているかという事実にスポットライトを当てる。
いかに早いうちから始めるかよりも、どのように始め、挫折し、また立ち上がることができるかこそが成功の鍵なのだ。
著者のDavid Epsteinは、ニューヨークタイムズのベストセラーであるThe Sports Geneなどを書いた人です。
世界中で成功しているアスリート、音楽家、発明家や科学者を対象に調査をすると、彼らがスペシャリストというよりもむしろジェネラリストであるという結論に至ります。
特定の領域に優れていること、あるいは特定の領域のみに集中することではなく、複数の領域で知識を深める、専門性を高めることこそが成功のカギであるということを科学的根拠とともに書いています。
これは面白そうだ。
失敗をしたり、挫折をいろいろとしたからこそ、他の道を見てみたりして、その結果ジェネラリストになっていき、成功につながるという話があるようですね。
The Age of Living Machines:How Biology Will Build the Next Technology Revolution
作者:Susan Hockfield
全世界の人口が拡大し、気候は変動、ヘルスケアにかかる費用は増大している。
これらの問題を解決する次世代バイオテクノロジーを、 世界的に著名な神経学者であるSusan Hockfieldが語る
21世紀は生物学の時代だというのはご存じかと思いますが、そのなかでも新しく、インパクトのある事例が書かれています。
バッテリーをナノレベルにまで縮小するウイルスの存在、触れた感触を感じることができ自由に動かせる義手、などなど。
著者は元MIT学長です。MIT万歳的な仕上がりになっていると予想されますね。
Hilma af Klint:Paintings for the Future
作者:Tracey Bashkoff
抽象絵画の画家であり、後世にも多大なる影響を与えたHilma af Klintによる独創的かつスピリチュアルな傑作。
1944年の死以降、20年の間世間の目にさらされず、アメリカのグッゲンハイム美術館で初めて展示された作品。
画集は詳しくないですが、著者はスウェーデン出身、霊的存在を信じた神秘主義を持った女性画家です。
彼女は初の抽象画家であるといわれており、自分の作品が世間に理解されるのはだいぶ先であるということを予見していたのか、死後20年間は作品を公開しないようにお願いしていたそうです。
The Moment of Lift:How Empowering Women Changes the World
作者:Melinda Gates
男女平等に世界がシフトする中、女性は依然として社会にインパクトを与えるという課題に挑戦し続けている。
フィランソロピスト(博愛主義者)として著名なMelinda Gatesは、彼女が出会った驚くべき女性たちの話を描き、女性が活躍するための考えに触れる。
Melinda Gatesはビリオネアであり、NGO関係の仕事に関わっています。
アメリカでは税金対策としてもチャリティーが人気ですが、お金を援助することだけでは解決にならないと彼女は主張し、具体的な方策について語ります。
ニューヨークタイムズではベストセラーとして大絶賛されている本になります。
Literary Places:Inspired Traveller's Guide
作者:Sarah Baxter and AMyGrimes
読書は我々を見知らぬ土地へ連れて行ってくれる。
この本はチャーミングな絵でもって我々を魔法の旅に連れて行ってくれるだろう。
トラベルジャーナリストの著者が送る、際立った情報に富んだガイド。
全世界、ロシア、サイゴン、イギリス、チリ、などから25か所の旅行先が絵としてまとめられている本になります。
地図や写真はなく、どのページも絵になっていますので、実際にガイドブックとしては使用できませんが、これを読むことでその地に赴いたかのような感覚を味わえる本になっています。
旅行は好きなので、詳しく読んでみたいですね。
The Prosperity Paradox:How Innovation Can Lift Nations out of Poverty
著者:Clayton Christensen, Efosa Ojomo and Karen Dillon
イノベーションのジレンマなどで知られるベストセラー作家でもあるクレイトン教授が、世界で最も耐え難く同時に扱いにくい問題に目を向ける。
なぜ巨額の開発援助を受けた途上国に依然として貧困がはびこるのか、この矛盾に3人の著者が複数の視点から分析をし、持続可能な開発について理論を述べる
貧困層を抱える途上国を支援する目的で行われるインフラ整備、井戸の開発などは必ずしもその国を豊かにしていない、などの事例をもとに、
何が国を豊かにすることにつながるのか、3人の著者により主張がされています。
効率化を追求する試みは持続可能な開発につながりにくく、必要となるのは雇用を創出する、などの市場創造型のイノベーションであるという主張になります。
日本語の本も出ていますので、こちらもおススメ。
- 繁栄のパラドクス
My Mexico City Kitchen: Recipes and Convictions
著者: Gabriela Cámara
シェフであり、成功したレストラン経営者でもある著者がメキシコの食事場を買える。
150のメキシコ料理のレシピが、あなたの家の味を変える。
新鮮な野菜、魚介を中心としたメニューをコンセプトに、朝食、スターター、メイン、そしてデザートのレシピが載っています。
アレンジの方法についても豊富に書かれており、レシピの成り立ちの背景などにも触れられています。
メキシコ料理は、あんまり作ったことないので、読んでみて慣れ親しんでみるのもいいかもですね。
D-Day Girls:The Spies Who Armed the Resistance, Sabotaged the Nazis, and Helped Win World War II
著者:Sarah Rose
ドイツ軍の勢いはUnstoppableであるかのようにみえ、連合軍は勝利に向けある戦略をとることとなる。
連合軍を勝利へと導いた、妨害・破壊工作、諜報活動を行った 3人の女性スパイによるunsung heroines of the warの物語。
ウィンストンチャーチルによって組織されたSpecial Operations Executive:SOEにより採用された女性スパイによる、連合軍を勝利に導く工作活動についての本です。
最近になって開示された情報、彼女たちの日記をもとに命がけで戦った女性たちの姿が描かれています。
女性に機会均等化が叫ばれる近年では、非常に重要な意味を持つ本になりそうですね。
Atlas Obscure:Explorer’s Guide for the World’s Most Adventurous Kid
著者: Dylan Thuras and Rosemary Mosco
地球上でもっとも不可思議で奇妙な秘境についてイラスト付きで解説。
洞窟、木々の生い茂る森林、そして900以上の味を振る舞うアイスクリームショップなど、老若男女問わず地球を楽しめるガイドブック。
実に奇妙でありながらも、地球上に実在する100の秘境について素敵なイラストを用いて解説した本となっています。
この本に書いてるところ、実際に行ってみたいですね。
日本語版も近々発売されるようなので、要チェックです。。
The Atlas Obscura 世界秘境マップ 冒険大好きキッズのための探検ガイド
個人的にはThe Prosperity Paradox、 D-Day Girls、 Atlas Obscure あたりをしっかりと呼んでみたいですね。
読んだら書評も挙げてみます。英語なので苦労するかも・・・