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[PMBOK]PMOの役割、Project Sponsorとは?

さて、今回はPMOの役割とProject Sponsorについて、まとめていきたいと思います。

先に個人的な経験で語ると、まともなPMO、頼りになるPMOって見たことがありません。また、Project Sponsorという人達もプロジェクトの現場に全然来ないで何してるのかわからないとりあえず偉い人たち、という感覚があります。

と、現実はそんな感じですが、PMBOKに則った場合はこの人たちはどんな役割、どんな立ち位置なのか、確認していきましょう。

PMO の役割

これは比喩ですが、PMOの役割は飛行場における管制塔 (Control Tower) のようなものになります。自分自身が飛行機を操縦して離着陸させるわけではないですが、渋滞を避けるためにどの飛行機からどの順番で滑走路に入るのか、着陸させるのかといった部分を指示します。

管制塔がなければ、飛行機はどうしたら良いのかわからず空中を旋回し続けることになるでしょう。

PMOの役割は以下の3つになります。

  • プロジェクト内の活動のサポート
  • プロジェクト内の活動のコントロール
  • プロジェクト内の活動のディレクション

関わりの度合いが高まるにつれ、サポート、コントロール、ディレクションとなっていきます。

基本的には現場で作業をすることはありませんが、むしろPM, PMOが現場まで出て来るようならそのプロジェクトはかなりの赤信号、というのはよくある話です。

サポート

サポートの内容の例としては、成果物のテンプレートを作る、ベストプラクティスなどを保有している、または社内との窓口になる、これまでのプロジェクトから得られた知見を貯めておき、それらをプロジェクトメンバーに共有する、といったことがあります。

コントロール

コントロールの例としては、RiskやIssueの管理、スケジュールの管理、成果物のテンプレート準拠についての監督、などでしょうか。

問題が発生しないように監視、あるいは何か予兆があれば発生前に対処できるように目を光らせる、といった感じですね。

これが出来てるPMO、、見たことないですが。

とりあえず状況把握はしておいて、必要に応じてPMやマネジメント層に報告できるようにするので精一杯、というPMOばかりな気がします。

ディレクション

ディレクションは、特定の領域でかなりの遅延が発生した場合などに行われます。PMOから人を出したところで何になるんだ、という感じはするのですが、周囲の危機感も高まりますので、一時的に指揮権をPMOから来たメンバーに譲り、遅延解消までナビゲートしてもらう、というケースもあります。

そして、その人はそのチームから抜けられなくなる、ということもよくある話ですね。

規模によっては不要なケースもある

PMOは、プロジェクトの規模によっては不要なケースもあります。

冒頭で管制塔を比喩に使いましたが、規模が小さく渋滞なんて起こらないような飛行場では管制塔もほぼ不要となるのと同様ですね。

いやー、まともなPMOがいるプロジェクトに入ってみたいものです。(自分でやれって話かもしれませんがあんまり楽しくなさそうなんですよね・・・)

Project Sponsorって?

プロジェクトスポンサーというのは、PMに対してリソース(人、モノ、カネ)やそのほかの支援を行う人のことです。

PMを任命する人で、その後PMからのリクエストに応じて人を連れて来たり、必要な資金を拠出したり、あとはだいたいこういう人達は偉いので、必要に応じて良い関係を持ちたい相手や組織に対して働きかける、というような役割も持ちます。

Project Sponsorの役割

Project Sponsor の役割は、主に以下となります。

  • プロジェクト予算の承認
  • 変更管理(スコープ、スケジュールなど)
  • リソース調整
  • PMの任命
  • PMのエスカレーション対応

現場に近い人からすると誰?って感じ

大事な打ち合わせとかでは冒頭で話したりすることもあるものの、日々のワークの中では何にもしていない、何をしてるのかわからん人達ですね。

ただ、この人なしにはプロジェクトの体制が整わないので、かなり重要な人です。(というか偉い人ですね)

Programのなかでは、Program ManagerがProject Manger達にとってProject Sponsorということになります。

複数の人たちのケースも

Project Sponsorというと一人のように思えますが、複数人であるケースもあります。ただし、そうしたときはManagement Council、Steering Committee と呼ばれることが多いですね。

PMやPMOがプロジェクトの状況報告をする相手はまさにこのProject Sponsorで、月一回定例の報告を設けていてその日が近づいてくるとPM達がソワソワし始める、というのがよくある光景です。

終わりに

今回PMBOKにおけるPMOの役割を確認してみましたが、やはり、これが出来てるPMOってコンサルにもなかなかいないです。

なんでかと考えてみても、うーん、出来てる例を見たことがないからなんとも言えない・・・

PMOがダメだから現場できちんと認識合わせしてやって行こうね!みたいな雰囲気で一体感が生まれてことなきを得るというケースばかり体験して来たのですが、それがプロジェクト成功の秘訣だったりするんでしょうか・・・(絶対違いますね)

参考にしてみた書籍

以下に、参考にしてみた書籍を載せています。こちらの書籍は、PMPとして25年以上活躍され、プロジェクトマネジメントに関して30,000人以上もの人材をIndustry問わず輩出してきているPM-Pulse創設者のManeesh Vijayaさんです。

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