今回は、Material Master、BOMといった情報を基に、どのように実際に製造作業を進めていくのかを定義するRougingと、Work Centerについてまとめていきます。
Agenda
Routing - 作業の順番、内容を決める
Routingというのは、Materialを製造する際の作業の順番と内容を定義しているものとなります。Routing GroupとGroup Counterの組み合わせで定義され、作業の順番とその内容のことをOperationと呼びます。
OperationにはWork Centerというものが値として存在しますが、これはそれぞれの作業がどこで行われるのか、という場所を示しているものとなります。
それぞれの作業には時間も設定することが出来、全体でどれだけかかるか、という情報以外に一つの製品に対しての作業を終えるまでに何分かかるといった形式で所要時間を定義することもできます。
また、作業は前工程が終わってから着手するものと、並行で着手できるものも定義できるようになっています。
RoutingとBOMでいつ、何が必要かを判断する
Routingで作業の内容が定まりましたが、これに加えて、Routing内でいつ、どの作業でBOMで定義したComponentを使用するのかを明らかにしなくてはいけません。
これを、Component Assignmentといいます。明示的に、2番目のステップで必要になるComponentを指定しておくことで、この2番目のステップが始まった段階で必要となるComponentの購買が開始されます。
なお、明示的に指定がされなかった場合は、すべてのComponentがOperationの最初の段階で必要であると判定され、製造作業が開始したらすぐに購買の計画が行われることとなります。
Work Center - 製造に係る作業場所
Work Centerは、Routingで定義したOperationを実際に執り行う場所のことを指します。Plant内のとある区画だったり、あるいは部門をWork Centerとするケースがあります。
Work Centerにも、各種パラメーターがあり、ある種マスターのように定義をしていく必要があります。
Work Centerで定義する内容
Default Values
Default Valuesでは、Work Centerにおける作業を行う際に、必要になる情報、あるいは参考情報を定義します。
Standard Value Key
Standard Value KeyをWork Centerに入力することで、Routingで定義したOperationを実行に移すにあたっての標準原価、賃率が計算できるようになり、これによって製造作業に係る原価計算が行われます。
ResourceとCost Center
Resourceは、作業に必要となる人や設備のことを指します。そして、ResourceをWork Centerに割り当てたら、このResourceに対してCost Centerを割り当てることで、勘定科目レベルでなににどの程度のCostがかかるのか、という情報がわかるようになります。
Available Capacities
Available Capacitiesは、Operationのスケジュールを行う上で必要な情報となります。具体的にはFactory Calendarという稼働できる曜日などを定義した情報を入れておくことで、特定のWork Centerが稼働する日を定めることが出来、そうした情報が実際のOperationのスケジュールを組む際に使用されます。
終わりに
今回はRouting、Work Centerについて学びました。Routingというと、SDのほうのRouteが頭に浮かびましたが、あれとは違うものなんですね。(そりゃそうか)
細かな項目レベルまでのまとめはまた後で実施していくとして、ひとまずSAPを使用した場合のBusiness Processをまとめていければと思っています。