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【コンサル】プロジェクトの作業コストを見積ってみました【PJ Fee Estimation】

プロジェクトの概算コストを算出しました(初体験)

先日、めでたく入社日を迎えました。私自身転職は4回目なので慣れたものです。

勤務先は コンサルティングファームなのですが、入社初日は次にアサインされるプロジェクトの資料確認、クライアントの調査などの依頼がされただけだったので周りからは暇だろうと思われたらしく、PD (Project Development、提案活動のこと)の資料作成と見積もり作成を依頼されました。

今回は、それをどう乗り切ったか、書きたいと思います。

スケジュールをWBSに落とし工数を見積もることで費用を算出

実は今までずっとスタッフとしてPJに従事してきたので、PDで見積もりを出す、というのはやったことがなかったんです。

全然知らないパートナーから渡された資料に書いてあったのは、大まかな作業イメージ(カテゴリーが4つくらいある)とその作業の期限だけでした。

「費用算出のフォーマットとかありますよね?」と聞いてみたところ、「今までの知見を活かしてイイ感じにやってみてよ!」という無茶ぶり返答だったので、それならばと独自の手法で思う存分やらせて頂いた、出来る範囲で私がとった方法は、以下の通りでした。

  • 作業をカテゴリーに分け、タスクに分解する
  • タスクに対して、作業期間、どんなリソースを当てるか考える
  • リソースごとの単価 × 期間で費用を算出する
  • 工数以外の移動費、書籍代、印刷代等を計算する

これで見積もったところ、信じられないことにそのままクライアントに提出されていったようです。 (大丈夫かいな)

概算コスト算出の方法

作業スケジュールを作成する

まずは全体概要からお話しします。費用の計算には皆様おなじみのMicrosoft Excelを使用しています。

作業内容をリストアップし、対応する作業期間、割り当てるリソースを定義

全体としては、作業内容が左側に1列に並び、それに対応するように作業期間、関与するリソースが並びます。

ちなみに、薄いオレンジ色のハイライト箇所(作業期間やリソースの割り当て状況)が好きに値を変更してよい場所で、ここを変更すると他の計算箇所が自動で変わるようになっています。

土日祝日を考慮したスケジュールをつくり、だれがいつ働くかを可視化する

右に向かってスケジュールが伸びていき、いつ作業が開始するのか終わるのか、そしてそれに応じていつ誰のリソースが何%必要なのか、という算出をしています。

ここは、作業期間として定義した開始日と終了日に応じて、1が入るか、空白になるか、という処理になっています。あと、土日や祝日の場合は空白になるようにしています。

誰がいつ働くのかを分かりやすくするために、人別(ここではランク、職階)にいつ、作業の何%を割り当てるのか、という計算も行っています。

土日祝日を考慮したスケジュール作成で使用する関数

関数は、以下のようなものを使ってみました。IF文で判定して判定する日付が特定の期間内にあるかどうかをチェックする、というのはよく使うやり方ですね。

=if(and(作業開始日>=判定する日付,作業終了日<=判定日付),稼働日のフラグ,非稼働日のフラグ)

誰が働くのか、何%の関与をするのかを計算する関数

関数は、以下のようなものを使ってみました。同じ日に複数の作業があった場合、それらの作業の合計を100として、各作業が占める割合が計算されます。

=(稼働判定フラグ×関与割合)/sumproduct(稼働判定フラグ,関与割合)

注意:期間中での関与割合は一定としている

実際に現場で働いている人間としては、作業をするときは日によっては100%稼働だったり120%だったり、80%だったりする感覚を持っています。

そのため、作業にはまず一定の%(どのくらいの工数が必要になるのか)を当てておき、日によってはいろいろな作業が並行して発生するため合計が100%を上回る、あるいは下回るほうが正しいのではないか、と考えその前提で見積もっていたのですが、レビューの結果、

今回はPD時点ということもあり、チャージする期間中はあらかじめ決めておいた稼働割合を下回ることはない、という仮定のもと計算を行いました。

つまり、WBSを作成したものの、結局は費用としては作業する期間×関与割合×リソースごとの単価が請求金額になるということです。ただし、各作業にどれくらいの工数がかかるのか、という点を伝えることは重要だと考え、この方法で費用算出を行っています。

作業スケジュールから作業時間を計算し、単価をかける

スケジュールのほうには人別の作業の関与率がありますので、これに対して、そもそものPJへの関与率、人数、単価、1日当たりの作業時間(7時間と仮定)をかけてあげると、費用が算出されます。

*ここで書いている単価はイメージです。

見積もれるかどうかは作業のイメージが持てるかどうかにかかっている

初めての見積もり作成で、こんなんでいいのか、と思いながらやりましたが、そのままクライアントに提出されていったようなのでいったん良かったのだろうと思っておきます。

今後、もっとちゃんとした方法がわかってきたらそちらも整理して、投稿していきます。

今回学んだのは、見積もり作成をするときは、見積もる対象の作業内容スケジュール、そしてどの程度の力量の人がどの程度の人数必要なのか、これを理解できているかどうかが重要だということでした。小手先の、Excelの関数への詳しさとかそんなのはあまり重要ではないですね。

ちなみに、交通費の計算のほうがExcelのロジックとしては難しいと感じたので、そちらも別途投稿します。

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