いやー、久しぶりの投稿です。ここ数週間は、仕事が変わり、新しいことを行うなかでバタバタしつつも、かねてから興味のあった不動産投資の勉強をする毎日でした。
まずは本で勉強をしているところなのですが、やっぱりいろいろな方のおすすめの本を読んでいくと、著者によって意見が違う部分もあれば、意見がぴったり同じになる部分もあります。
今回は、私が書籍を通じて不動産投資の勉強をするなかで、どの書籍にも共通していると思えた部分、いわば不動産投資において鉄則とされるものをご紹介していきたいと思います。(最後に、参考にした書籍を載せていますが、ご紹介はまた別の投稿で。。。)
Agenda
新築よりも中古物件
これは言わずと知れた鉄則ですね。説明不要!とは言わず、なんでそうなのか、書いていきます。
新築物件は買った瞬間に物件価格が値下がりする
日本人は新しい物好きです。結婚指輪なんかでもそうですが、欧米では先祖代々受け継ぐという方法もメジャーであるなかで、日本人は新しいものを買うことを好みます。
指輪なんかは価格が小さいからいいですが、不動産の場合は露骨に物件価格が下落します。同じ間取り、戸数、駅からの距離でも、新築物件と中古物件では、新築のものにプレミアムがつき価格が10~20%程度高くなってしまうものですが、新築の物件でも一度買われてしまえば中古になるわけです。
買った瞬間に不動産(正確には建物部分)の価格が10~20%下落するわけですから、わざわざそんなものを買うよりも、下落した後の中古物件を買ったほうが、買った瞬間にさらにそこから10~20%の価格下落は発生しないと考えることができるでしょう。
この点で、中古物件のほうがリスクが低い、と考えることができます。
(そもそも圧倒的に安いというのも大きなメリットですね)
新築は家賃の下落幅が大きい
ただ、新築物件の場合は賃料も高く取れるというメリットがあります。そのため、購入時点の価格が高くても、賃料を多く回収できるのだからOK、という考えもありだとは思います。
しかし、新築物件の賃料についても、物件価格と同様に下落が発生します。5年で10%程度下落することが通常で、10年たつと20%下落することも少なくありません。
一方で、築20年を超えた中古物件の賃料はそこから下がりにくいことがわかっています。中古物件のほうがやはり低リスクであるといえるでしょう。
価格の下落、賃料下落を見込んでもメリットが出るならもちろんOK、でもそうした物件は少ない
ここまで、中古物件のほうがいいということを書いてきましたが、価格の下落や賃料の下落を見込んでもなおメリットがあると確信できる場合は新築物件の購入に踏み切るべきです。
売却までを見据えた収支見込み(PL)がプラスで、買い進めるうえでの財務状況(BS)にとってもプラスなのであれば、全く問題はありません。(おそらくは、価値の建物価格の下落によって債務超過になってしまうケースが大半ではないかと)
区分よりも一棟アパート、マンション
これは、今も意見が分かれる部分かもしれませんが、私は区分投資はメリットが少ないと思います。
区分投資というのは、マンションやアパートの中の一室だけを購入して、それを賃貸に出すというものですが、結構多くの人がやっているタイプの不動産投資でもあります。
しかし、不動産投資を行う上では一棟物をすべきです。
購入するのが大変な割に実入りが少ない
不動産は、一件購入するのも簡単なことではありません。
積算価値が出るのかどうか、融資が出るのかどうか、収益が出るのかどうか、地盤の状態は、リフォームはどこまでやるか、リフォームするならどこに頼めばいいのか、管理会社はどこを選べば、仲介は、登記手続きは、と色々と考えることがありますが、こうした苦労が発生するのは区分投資も一棟物への投資のどちらも同じです。
そうした苦労が一定程度はあるにもかかわらず、区分投資は規模が小さいので一棟物のように金額として大きな収益を上げることは出来ません。これが、実入りが少ないという意味になります。
土地がついてこないので次の融資がおりにくくなる
区分投資は金額が少なく始めやすいというのはメリットになりますが、土地がついてこないので数年すると建物価格の減価に伴い資産価値が減少し、次の融資を引きにくくなってしまいます。
土地がない状態だと、建物は減価償却をすることでだんだんと価値が減り、金融機関から評価されなくなります。したがって、融資がおりにくくなり、これは次々と買い進めていくということができなくなります。
戸数が少ないのでリスク分散ができない
(満室か空室か)
区分投資の場合は、賃料が100%発生している状態とそうでない状態のどちらかになります。
一棟物であれば、10室のうち2室に空きが出ている、という状態があれば、その部屋だけ仲介業者さんにプレミアムを払って客付けのインセンティブを働かせるとか、家賃を下げる(これはあまり推奨できない)ということも可能ですが、区分投資ですとそうした個別対応もできませんし、リスクをうまく分散させることができません。
区分投資のマンションを複数持つことでリスク分散は出来ますが、それはすでに上段で述べた苦労を伴うことになります。
管理組合の方針が適用され、管理費用が割高、そしてノウハウがたまらない
区分投資マンションでは、管理組合というものがマンションに存在していることが多く、区分のオーナーであっても管理は組合に従う必要がありますが、管理費用が割高です。
さらに、不動産投資においては、どの客付け業者がいいのか、管理会社がいいのか、どうした方法で空室率を埋めるのか、などなど、一連の購入から客付け、そして管理までを自分で考えて行動を起こすことが最大の学びになりますし、そうした学びがあることで次の投資の成功率を上げていくことができると考えます。
こうした学びの機会を得るうえで、管理組合の存在は長い目で見てマイナスになってしまいます。
Yield Gap = 表面利回り - 借入金利は12%以上で探そう
Yieldという言葉、M&Aやってた時によく聞いたなー。
それはいいとして、これは、不動産投資を今から始めよう、という方で、特に現時点でそんなに資産を持っていない人向けの鉄則です。
表面利回り - 借入金利をYield Gapといいますが、つまりはこれが金利支払いを引いた後の手残りになります。
正確には、金利以外にも元金返済額、固定資産税、都市計画税、所得税やらを引いた後のCash Flowが手残りになるのですが、この辺りは公開されている情報だけで一瞬で判断できないので、目安として、そしてとても簡単にスクリーニングできる指標としてはこのYield Gapが使えます。
12%以下になると、毎月の返済額と金利支払いでどんどん首が締まりますし、そうなるとリフォームや広告宣伝費にお金を使う余裕もなくなってしまいます。
そうならないための目安がYield Gap 12%です。
たとえば、日本政策金融公庫を使う場合は3.9%だとして、15.9%くらいは表面利回りの出る物件が適切、といえることになります。(結構高いですよね・・・)
「いやいや、そんな利回りの高い物件なんかないから10%くらいでいいでしょ」とお考えになる気持ちもわかりますが、財務モデルを作って35年の収支予想をしてみると、Yield Gap 12% 以下の物件を購入すると夢のない世界が待っていることが明確になります。
こんな物件少ないですが、頑張って探しましょう。
(財務モデルを使って分析してみた様子なんかも投稿してみようかな・・・)
利回りだけでなく積算価格を意識すること
積算価格、これは重要です。なぜなら、積算価格によって金融機関から融資を得られるかどうかがほぼ決まるからです。
次々に物件を買い進めるためには融資が必須
不動産投資と他の投資(株、投資信託、FX)を比べて違う点は何かと言われれば、融資を得てレバレッジをかけた状態で投資できること、という方は多いでしょう。
株、FXの信用取引とかはある種融資を受けているようなものでもありますが、かけられるレバレッジには制限がありますし、いざというときには全財産が消し飛ぶ、あるいは追証を求められることもある一方で、不動産の場合はそうはならないところも特徴です。
この融資ですが、どんな物件でも、誰でも得られるものではありません。物件に、収益性、あるいは資産性(両方が必要な時も)があることが認められる状態でないと、金融期間は融資をしてくれません。
高い積算価格を備えた物件は融資を引きやすい
金融機関はきちんと毎月借入金の元金と一緒に金利を支払ってくれそうな人に融資をしますので、収益性はもちろん大事になります。一方で、その収益が予想通りに上がらなかった場合に備えて、資産を担保にすることもあります。その場合は、評価の対象は物件そのものとなります。
ここで、積算価値というものが出てきます。計算方法については詳細は省きますが、地域ごと、土地ごとに算出される単位当たりの価格相場に対して物件の土地の面積をかけたものと、建物の再調達価格を合計したものになります。(土地についてはマーケットアプローチ、建物はコストアプローチ、というイメージでしょうか。)
金融機関というものはその性質からしてリスクを嫌うので、保守的な見積もりをします。そのため、景気に影響を受ける収益予想よりも積算価値をもとに融資の判断をすることになります。言い換えれば、収益が全然上がらない、といったときには融資の担保にした物件を市場で売却することで得られるであろう売上金額を物件の評価額として使用し、その金額までなら融資してもOK、という判断をするのです。
したがって、利回りを気にするのももちろんなのですが、それに加えて積算価値の高い物件かどうかを検証する必要があります。実際には、金融機関はさらに保守的に見積もり、積算価値の70%程度を融資上限とします。(ここには金融機関ごとのポリシーあり)
この考えを知っていれば、いざ購入を決意した後の融資のときにも、金融機関との間での融資額の相談がスムーズになるのではないでしょうか。
積算が出やすいのは、路線価の高いところの物件、土地面積の広い物件(駐車場付きなんかは高積算)
じゃぁどんな物件が積算価格が高くなるのか、という点ですが、ずばり路線価(1平米当たりの価格の目安)が高いところ、あるいは低くても余りあるような土地の広さを持つところです。 土地の広いところと考えると、駐車場付きの物件なんかは積算価値も大きく出ますね。
正直、建物の価格は相当に大きいマンションでもない限り、オマケみたいな金額になってきます。特に、中古物件を探すと築古で法定耐用年数オーバーの物件ばかりが検討対象になりますので。
路線価が高いところってどこよ?という方には、全国地価マップをおすすめします。地域で絞って、検索をかけると路線価を確認することができます。ちなみに、確認するのは相続税路線価になります。
まずは地域で検索をかけてから、となりますのでいきなり路線価の高いところを確認することは出来ません(スクレイピングとかすればできるんですかね?)
他にも、楽待であれば、各物件情報に対して「路線価を調べる」という機能があり、これを使えば簡単に近隣の路線価を参考に積算価値を計算してくれます。
固定資産税、都市計画税には注意
積算価値と直接的な関係を論じるのは難しいのですが、注意しなくてはいけないのが固定資産税、都市計画税になります。これらの税金は、取得した不動産(建物、土地)の税評価標準額に対してかかる税金です。
積算価値の高い物件は融資を引きやすくなるというメリットがある一方で、この税評価標準額も高くなるので、支払う必要のある税金も高くなります。
税金が高すぎて収益が持っていかれてしまう、ということが起こらないように、物件購入の前の段階で複数年にわたってきちんと税引き後の手残りが出てくれるのかどうか、シミュレーションをするようにしましょう。
この点、簡単に対策をするのであれば、安すぎる物件を買わないことです。
固定資産税、都市計画税は取得不動産の税評価標準額の3%程度になるので、それ自体は少ないのですが、物件自体の規模が小さいことによって絶対的に得られる賃料収入が少ないと、首が締まってしまうからです。
ランニングコストを考えると木造もあり
鉄骨、鉄筋はメンテナンス費用が掛かる
木造の住宅について、木造というだけで否定的な意見を持つ方がいるようです。例としては、耐用年数が短いので融資の期間が短くなる、減価償却を使い切るデッドクロスが訪れる、あとはそもそも積算価値が出にくい、などでしょうか。
逆に鉄骨、鉄筋の場合は耐用年数が長いので融資の期間は長くなる、デッドクロスも先になる、積算価値が出やすい、といったメリットがありますが、ランニングコストの面では木造に分があるとみています。
修繕費用や建物の維持管理費用などは鉄骨、鉄筋の建物のほうが多くかかりますが、木造は2階建て程度のアパートであればかなり低く抑えることができます。
初心者の方でしたら、月々の支出を抑えたいはずですので、その場合は木造も選択肢になります。
法人のほうが所得税は抑えられる
これは不動産に限らずですが、ある程度の所得になってくると個人での所得税よりも法人での所得税のほうが低くなります。税率は以下の通りです。
法人は800万円を超えても23.4%ですが、個人は段階に応じて45%にもなったりします。兼業大家さんなんかは本業の収入にプラスで賃料収入が入るので、税率は簡単に上がってしまうといえるでしょう。
個人 - 課税所得 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
法人 - 課税所得 | 税率 |
800万円まで | 15% |
800万円超 | 23.4% |
ある程度の所得というのはどれくらいか、と考えてみます。
不動産投資となると、物件の賃料収入の2~5%とかが課税所得になってくることが多いといいます。表面利回りが15%だったとすると、800万円の課税所得になるのは、
800万円 × 1/ 0.15 × 1/ 0.02 ~ 0.05
= 11億 ~27億
11億~27億の物件価格になってきます。ここまで買い進めるのにどれくらいかかるでしょうか。それまでの間、税率が15%でキープされるというのは、個人で買い進めるよりもやはりメリットが多いといえるでしょう。
参考にした不動産投資関連の書籍
最後に、ここまで不動産投資の素人の私が勉強をするにあたって参考にした書籍を載せておきます。
いずれはこれらの書籍の内容についても触れていきたいと思いますが、まずは一棟買わないと・・・
業者さんからも情報を仕入れてみたい、という方へ
不動産投資を行う際、最終的に意思決定するのは不動産投資家を目指す皆さんです。したがって、自分自身の見る目を養うためにも、様々な情報に触れるようにしましょう。その観点では、情報を仕入れる際には業者さんを有効活用すると効果的かつ効率的です。当然ですが、情報については業者さんが最も新しく、そして確かな情報を持っているからです。
以下に、情報を仕入れるという目的で活用できる業者さんをリストアップしています。セミナーを企画されていたり、個別相談会を企画されている業者さんは非常に多いので、まずは購入するかどうかという点からは距離を取り、情報を仕入れるという観点で参加してみてはいかがでしょうか。
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不動産投資に最適な会社を紹介【イエベスト不動産投資
株式会社ヘイフィールドは、不動産投資家を目指す方向けにベストな業者を紹介するサービスを提供しています。このサービスから、複数の業者さんに無料相談を一気に申し込むことが出来るので、あとはその中から相性の良い業者さんを選択されるとよいかと思います。
引っ越し業者を選ぶときの一括見積請求にイメージは近いですね。メールがたくさん来ることになってしまうのが嫌だという方は避けたほうがいいかもしれません。
不動産投資の情報提供サービス「セカオピ」
株式会社ノークリーのセカオピは、不動産投資に関する相談を無料で行う、というサービスです。ノークリー自体は売買をしていないので、無理やりに売りつけようとしてきたりすることはありません。使い方としては、購入したい物件があったときに不動産投資の目的や出口戦略から見て、正しい購入になるのかどうかを相談に乗ってもらったり、空室改善のためにとれるアクションを相談出来たり、様々です。これから買おうとしている人の相談にも乗ってもらえるようなので、ぜひ無料の相談を申し込んでみてはいかがでしょうか。
AZ Creation(不動産投資)
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