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シンドラーのリスト レビュー

1994年の映画、シンドラーのリストをアマゾンプライムで見ました。
この度ポーランド、チェコに旅行に行くので予習としてこれは押さえておかなくてはなるまい、という思いから 今更ながらの初鑑賞です。映画の感想を書くのも初めてで、世界史はおろか日本史にも疎い私ですが、個人的な感想、加えて今度の旅行に向けての思いを以下書いていきます。

  1. とにかく長い、かつ重い
  2. 誰にでも優しい心はある、問題はそれを大事な時に発揮できるかどうか

とにかく長い、かつ重い

いきなりしょうもない感想で申し訳ないですが、3時間15分は長いです。ただ、それも演出なのだと今では感じます。
白黒のスクリーン、長時間の上映時間が、ただでさえ重苦しいストーリーにさらに重厚感、悲壮感を漂わせ、物語終盤にシンドラーの工場職員が強制収容所に送られるシーンなどは、見ている立場としては「もういい加減にしてくれ、やめてくれ」という思いに一杯になります。

本編はほぼ白黒ですが、一部のシーンやエンドロール前では色が使用され、これまでの重苦しい映画とのコントラストを際立たせているように感じました。

ただ、正直私は途中で集中力をなくしてしまった部分もあるので、今後鑑賞される方は休憩をはさみつつ見られることをおススメします。

誰にでも優しい心はある、問題はそれを大事な時に発揮できるかどうか

私はこの映画を観る前からシンドラーのお話自体は知っていました。そのせいもあり、この映画を見たときはシンドラーに対するイメージとちょっとした乖離がありました。
その乖離とは、シンドラーはもとから大義や正義のために生きていたわけではないということです。序盤はまさに自身のビジネスのために活動しており、安い賃金で働かせることのできる、という点がユダヤ人に目を向けるきっかけで、そこにユダヤ人に対する思いやりなどは一切なかったと思います。

それが、強制収容により労働者が全員いなくなり、ビジネスが継続できないという問題を抱えたことを契機に、ユダヤ人に行われていた非人道的行いに疑問を持ち初め、次第に自身の正しい心に従った行動をとるようになっていきます。

この映画では、誰の心にも正しい心があり、問題はそれを適切な時に発揮できるか、時勢や周りの圧力などに屈することなく流されることなく正しい行いが出来るかどうかである、というメッセージがあるように思われました。

アーモンゲートは極悪非道な人間として描かれていますが、シンドラーがユダヤ人にキスをしたことで逮捕された際には、「女好きだから仕方ない」と必死に釈放をお願いしたり、気に入ったユダヤ人女性には強制収容所行きを逃れさせ、自分の故郷に来させようと考えていることを本人に伝えるシーンもあります。(そのあと女性をぶん殴ってますが)
この点から、アーモンでさえ、友人を大事にする、素敵な女性には優しくしたい、という人間的な心があることがわかります。シンドラー自身も、そんなアーモンにたいして、戦時ではなければ普通の男、といったことを述べており、戦争という時代背景により人々の心に歪みが生まれてしまっていたことが強調されているように感じ取れました。(とはいえ罪がなくなるわけではもちろんありませんが。)

自分の周りがみんな同じ方向を向いていても、それが正しい行いかどうかを自分自身で判断ができるか。そして、正しい心に従って、行動ができるか。それが、この映画のメッセージではないかと思います。

ポーランド、チェコ旅行に向けて

クラクフには、シンドラーのリストに登場した工場や、アーモンゲートの自宅がそのまま残っているそうです。もちろん強制収容所も訪れますが、上記2点はこの映画を見なかったら行こうと思っていなかったかもしれません。
なかなか時間が取れず思うように計画が進んでいないのですが、クラクフに行ったときにはシンドラーのリストに登場した場所を探して歩いてみようと思います。

あと、戦場のピアニストも見ないと・・・

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