はい、今回はフェルミ推定ではなく、簡単なケース面談形式の問題を取り扱っていきます。
お題は前回、前々回に引き続きバスケットボールですが、今回は売上を上げるための方法は?と聞かれた場合を想定します。
以下、面接ではなしているような言葉として記述していきます。
Agenda
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前提の確認
今回考えていく内容はバスケットボールの売り上げを伸ばす方法となりますので、まず前提として、顧客はバスケットボールメーカーとします。
さらに、売り上げについては日本国内における個人向けの販売から得られる売り上げであると設定し、また取り扱う製品も特に革製のバスケットボールに絞ることとします。
バスケットボールには大きく分けて革製とゴム製がありますが、ゴム製は小学生などの小さな子供に対しては流通しているものの年齢が上がるにつれて革製のボールが需要の大半を占めるようになります。また金額も革製は大まかに1万円、ゴム製は1000円以下の製品もありますので、ゴム製のバスケットボールの売り上げは革製に比較するとかなり小さくなると考え、ここでは検討の対象から除外します。
アプローチ
それでは、売り上げを伸ばすための方法を具体的に考えていくためアプローチを考えていきます。
当然ではありますが、バスケットボールの売り上げは
バスケットボールの販売数量 × バスケットボールの平均単価
によって求められます。
さらに、バスケットボールの販売数量は、新規の購入需要と既存購入者の買い替え需要に分かれると考えます。
したがって、売り上げを伸ばしていくためにはこれもまた当然ですが販売数量を伸ばす、あるいは平均単価を引き上げることが必要であり、特に販売数量については新規購入の需要、並びに既存購入者の買い替え需要をいかに取り込むかが重要になってきます。
詳細の検討
それでは、ここまでに確認してきた売り上げを伸ばすための要素について、より詳細に考えていきたいと思います。
新規購入に対して
新規にバスケットボールを購入する人たちの需要を取り込む方法ですが、まずは顧客を理解するところから始めていきます。新規にバスケットボールを購入する人たちは、バスケットボールを今から始めようとしている人か、既にバスケットボールはしているものの購入に至っていない人たちとなります。
この人たちがいざバスケットボールを購入しようと思ったときに、まずは候補として考えて頂くことが重要となります。
このためには、まずは自社ブランドについて十分に認知して頂くことが必要となります。
ブランドの認知度合いを高める方法として、具体的には、以下のような方法があると考えます。
- 広告の活用(SNSとの連携、スポーツイベントとの提携)
- 漫画やアニメとのコラボレーションによるブランド周知
- 学校や体育館などで利用してもらうことで個人にも認知してもらう
まず広告についてですが、店頭での広告、バスケットボール雑誌での広告に加え、検索エンジンやSNS上でバスケットボール関連の内容を視聴した人向けにWEB広告を打つ、あるいはスポーツイベントとの提携でバスケットボールのブランドとしての認知度合いを高める方法が考えられます。
次に、漫画やアニメとのコラボレーションです。バスケットボールを始めるきっかけとして多いものの中に、スラムダンク、あひるの空、黒子のバスケといったバスケットボールを題材とした漫画やアニメによる影響があります。こうした漫画やアニメとのコラボレーションをすることで、特に新規にバスケットボールを購入する可能性の高い世代である、小中高生に対してブランドとしての認知度合いを高めていくことが可能と考えます。
最後に、学校や体育館などで利用してもらうことで認知してもらう方法も有効だと考えます。おそらく、バスケットボール競技者の多くは、学校や体育館などで保有されているバスケットボールが初めて触れたものであると考えます。このタイミングで、自社のブランドが取り扱われていれば、これからバスケットボール競技者になる人々の潜在意識にブランドとして位置が確立できるのではないかと考えます。学校や体育館が保有するバスケットボールの数は個人が保有するバスケットボール全体に比べて割合は少ないと思いますので、こうした学校や体育館が取引先であれば優先的に割引などをして販売をするという手もあるのではないかと考えます。
以上、広告の活用、漫画やアニメとのコラボ、そして学校や体育館に積極的に販売し、多くの人々の目に触れるようにしておく、といった方法で新規購入者にとってブランド選定の際の候補にしてもらえるように働きかけることが出来ると考えます。
既存の買い替えに対して
次に、既存のバスケットボール保有者の買い替え需要をいかに取り込んでいくかについて、具体的な方法を考えていきます。
バスケットボールメーカーは、市場に複数ありますので、いかに買い替えの需要を取り込むか、というのは、言い換えるといかに自社のシェアを失わずに、いかに他社のシェアを奪っていくか、という点がポイントとなります。
方法としては、価格競争力を高める、チャネルを拡充する、広告をうまく活用する、などといった方法がありますが、他社との差別化をいかに図るか、という点について具体的な方法を考えていきたいと思います。
バスケットボールメーカーは、バスケットボールを作ることが仕事であり、製品はバスケットボールだけだと考えられがちですが、ここに付加価値を追加することで既に自社ブランドのバスケットボールを持っているお客様は離れにくく、逆に他社ブランドのバスケットボールを持っている人が今後はお客様になってくれるように働きかけることが出来ると考え、ここでは会員プログラムを設立することを提案したいと思います。
会員プログラムを作り、自社ブランドのバスケットボールを購入してくれたお客様はこの会員プログラムの機能を一定期間、無料で使えるものとします。そして、この会員プログラムに参加されているお客様は以下の機能が活用できるものとし、他社との差別化を図ります。
- バスケットボールのイベント共有、割引券などの配布
- プロ選手による解説、練習メニューの動画コンテンツ視聴
- 体育館、活動チームの情報を管理、共有
バスケットボールのイベントは、通常、ボールメーカーも協賛していると思いますので、そのつながりを活用し、イベント情報をカレンダー形式でまとめ、また参加にあたっての割引券の配布などを会員プログラム経由のみで提供します。
また、ボールを売って終わりではなく、その後も効果的な練習メニュー動画の配信や、プロ選手とのコラボによるスキル解説動画などをこれまた会員プログラムのみを経由して配信することで、他社にはない価値をお客様に届けることが出来ると考えます。
さらには、バスケットボール競技者としては非常にうれしい情報である、各地域で利用できる体育館情報、活動しているチーム情報などをまとめるためのプラットフォームのような機能も会員プログラムに持たせることで、有益な情報が得られるものであるとお客様に認知して頂く、といった方法も検討の価値があると思います。
以上、お客様にとって魅力的な会員プログラムを作ることで他社との差別化を図り、買い替え需要を取り込むことが出来ると考えます。
平均単価について
これまで、以下に販売数量を上げていくかという点を考えてきましたが、売り上げを伸ばす方法としては平均単価を引き上げるという方法もあります。
個人向けについては、価格が上がると顧客離れにつながるリスクもあるため平均単価の引き上げについては今すぐに実施しなくてはいけないものだとは考えません。
ただし、買い替え需要を取り込む方法として提案した会員プログラムなど、ボールの原材料や加工量だけに限らない付加価値を提供し、それが市場で一定の地位を確立した後であれば、ボールについてはその付加価値も含めた価格設定を行い、平均単価を上げていくということも可能であると考えます。
それでは、ここまでのお話をまとめます。
まず、バスケットボールの売り上げを伸ばしていくにあたり、販売数量の増加と平均単価の引き上げが選択肢として考えられます。
販売数量の増加については新規購入と買い替え需要に分けて考え、新規購入については広告の活用、漫画やアニメとのコラボ、そして学校や体育館への優先販売によってブランドとしての認知度を高めることが有効だと考えます。一方で、買い替え需要については顧客に対して他社にはない差別化要素を含めた会員プログラムを提供することが良い案であると考えます。
最後に、平均単価についてはしばらくはこれまでの水準を維持し、顧客から自社が提供する付加価値に対する評価が確立されたタイミングで引き上げを行うと、顧客離れのリスクを最小化することが出来ると考えます。
終わりに
うーん、どうでしょ。長いかな。
あと、本当はAIDMA、AISASとかの、認知⇒購入に至るまでの活動について分けて考えたほうがいいんでしょうね。これ、なんだったか忘れてしまったのでここでは考えませんでした。
AIDMA:Attention, Interest, Desire, Memory, Action
AISAS:Attention, Interest, Search, Action, Share
ですね。
あー、既にボールを持っている人が周りに周知してくれる、という効果(Share)についても触れておいたほうがよかったかもしれません。
いやー、まだまだ学ぶことが多いです。