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[コンサル]飲食事業会社の売上ダウンにおける原因と対策は?(2/2)[ケース面談対策]

現在、総合コンサルティングファームで勤めている私ですが、次は戦略ファームにチャレンジしたいと思っています。

こちらの投稿では、コンサルティング業界では転職時に対策が必要になるケース面談を実際に行っていく過程を例題を取り扱いながら、お伝えしていきたいと思っています。今回のお題は「飲食事業会社の売り上げが落ちている、その原因と対策は?」です。

こちらの投稿は、前回投稿している内容の続きとなっており、原因特定のあとの対応策について提示するところから始まります。原因特定までを取り扱った、前回の投稿はこちらです。先にこちらを読まれてから、本投稿を確認されることをおススメします。

ケース内で使用している数値、各企業の状況などは目安程度にとらえてくださいね。

想定する読者

  • コンサルティングファームへの就職を考えている就活生
  • コンサルティングファームへの転職を考えているコンサル未経験の社会人の方

メリット

  • 面接に向けての練習問題として活用できる
  • 面接の場で問題に対してどのようにアプローチしていくべきかがわかる
  • 面接の場でどのように話をするべきなのかが参考にできる
  • 面接の場で問題を解いていくのと同時にどのような説明をするべきかがわかる

それでは、実際に面接の場で問題が出されたと仮定して、面接官と話しているようなイメージで以下、書いていきます。

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対応策の提示

やり取り(例)

自分「お時間頂きましてありがとうございます。先ほどまでに進めていた、売り上げ減少の原因分析のまとめと、対応策について提示したいと思います。」

自分「まず初めに、クライアントの事業別の分析を行ったところ、酒類、食品・飲料、外食のうち、酒類と外食についてはこの3年間でそれぞれ10%、50%以上の売り上げ減少が確認されました。ここからクライアントの戦略的な重要性から酒類に関する売り上げ減少について原因の分析を行った結果、発泡酒、ならびに新ジャンルの製品で売り上げの減少がみられていることが分かりました。」

自分「この発泡酒、新ジャンル製品の売上減少の理由は、競合他社と比較して製品ラインナップが顧客の趣向を抑えられていないことにあると考えられます。例として挙げられるものは、プリン体カット、糖質オフの製品で、これらの製品の市場規模はこの数年伸びているにもかかわらず、クライアントはこのカテゴリーに所属する製品を市場に投下できていない状況です。一方で、ビールについては競合他社の中に売り上げを落とす企業がある中で、クライアントは売り上げ水準を維持できている点は、クライアントの強みであると考えられます。」

自分「それでは、酒類に関する売上減少において、どのような対応策が考えられるのかについて提示したいと思います。売り上げを回復させる方法については、平均単価を上げる方法、あるいは販売数量を伸ばす方法が考えられます。」

自分「概要をご説明しますと、平均単価を上げる方法としては、酒類のうち、ビールについては値上げの可能性、顧客の価格に対する感応度を分析し、可能なエリアだけでも値上げを実行するということ、そして販売数量を伸ばす方法としては、酒類のうち、発泡酒および新ジャンルについては製品ラインナップの拡充を行う、既存製品については値下げによって販売数量を伸ばすことが出来ないか検討する、効果的な広告宣伝やキャンペーンを行う、といった方法が考えられます。」

自分「1つ目の対応策ですが、平均単価を上げるというと、顧客離れが進む危険性が懸念材料となりますが、今回の分析の中で得られたポイントとして、クライアントのビール製品は売り上げが他社に比べて下落していないという点があります。この理由についてはその要因をさらに細かく分析していく必要はありますが、製品の味、ブランドが高く評価されている場合は、多少の値上げを行っても顧客離れが起きにくいケースがあります。」

自分「したがって、地域別、顧客別、あるいはチャネル別に顧客の価格に対する感応度を分析し、値上げについて受け入れられる水準を求め、可能な範囲での値上げを実行することで、売り上げの最大化を狙うことが出来ると考えます。すでに実施されている可能性もありますが、他社よりも選ばれる存在であることをさらに活用して、価格の最適化に取り組むべきかと考えます。」

面接官「地域別、顧客別、チャネル別の分析をするというお話しですが、これらの違いによって価格変化に対する感応度が異なるという想定をされている理由について、もう少し詳しく教えて頂けますか。」

自分「はい、例えば、都市と地方でいえば、都市の消費者のほうがより高い価格までビールに払ってもよいということを考えている可能性がある、といった違いがあるのではないかと考えました。これが地域別に分析をする必要があるのではないかと考えた理由です。」

自分「顧客に関しては、野球場だったり、スポーツイベントの会場であれば普段よりも高い価格で販売されている印象があり、またチャネルについては通信販売と店頭販売、自販機での販売で異なる価格設定をすることが想像できましたので、これらを理由に、地域別、顧客別、チャネル別の分析が必要かと考えました。」

面接官「わかりました。続けてください。」

自分「2つ目の対応ですが、他社がそろえていて、クライアントが持っていない発泡酒、新ジャンルの製品ラインナップを拡充することで販売数量の増加を狙います。これは一定の効果が見込めるかと思いますが、開発には費用と時間がかかるため、即時性と初期コストの点で他の案に劣ります。」

自分「3つ目の対応ですが、発泡酒、新ジャンルの既存製品ラインナップについて、値下げを行うことで販売数量を伸ばすことが出来ないかを検討します。値下げを行った結果、販売数量がどの程度伸びるのかをシミュレーションし、売り上げが結果として伸びるのであれば、そして財務的な体力としても可能なのであれば、検討する余地があると考えます。」

自分「最後ですが、広告宣伝を有効活用する、あるいはキャンペーンを活用する、といった対応です。まず、現状の広告宣伝の状況を整理し、どれほど売り上げの確保に効果をもたらしているのかを確認します。他社をベンチマークとして比較し、もっと広告宣伝を行うことで販売数量を伸ばせるという分析結果が得られた場合には、広告宣伝を追加的に行うことで販売数量の増加を狙うことが出来ると考えます。」

自分「一つアイデアとして考えたのは、発泡酒、新ジャンルの販売数量を伸ばすためにビールの人気を活用するという方法です。ビールについては、詳細な要因分析は未実施ですが、他社に比べて売り上げをキープできているため需要のある製品であると考えられます。ここで、例えば発泡酒あるいは新ジャンルの製品をビールと一緒に購入するとビールが割引される、あるいは一定程度購入するとビールの無料引換券がもらえる、などのキャンペーンを用いると、普段はビールを購入する層がついでに発泡酒、新ジャンルの製品も買ってみる、という行動を起こせるのではないかと考えました。」

自分「ビールの割引、無料提供についてはコスト負担が増えますが、1つめの対応策である価格の最適化と併せて行うことで、このコスト増は吸収できるのではないかと考えています。」

自分「以上の4つの対応策を、実現性と、効果の観点でまとめると、1つめの価格の最適化、つまり値上げの検討、そして4つめの広告、キャンペーンの実施が我々がとるべき対応策であると考えました。」

自分「最後にですが、今回は売上減少の原因特定とその対応策を考えてきましたが、外食事業については原因特定、対応策の検討が未完了であることを改めてお伝えしたいと思います。今回は時間がなくこちらの分析に着手が出来ませんでしたが、もっと時間があれば、外食事業の売上減少の要因について、どの店舗で起きているのか、どの製品で起きているのか、どんな顧客の売り上げが落ちているのか、また競合の売上はどうなっているのか、何か特別なことをしているのか、価格設定はどうなっているのか、といったところから分析を行い、原因特定をすることが出来ると思っています。」

面接官「ありがとうございます。それでは、フィードバックを行いたいと思います。・・・(以降省略)」

対応策をの説明

対応策を考えて下さいと言われたら、まずは時間をもらって、それまでに得られている分析結果をまとめます。そして、本来の目的に立ち返り、対応策を複数検討します。

対応策については、まずは現実性などはいったん置いておいて、リストアップを行います。

カテゴリー分けして説明

リストアップした対応策については、説明することがもちろん求められるので、説明しやすいように、そして理解してもらいやすいようにカテゴリーに分けて説明します。

今回の例では、カテゴリーとしては単価を上げるという方法と、販売数量を伸ばすという方法で考えました。(単価を上げる方法の割合が非常に少ないのですが、そこは私の実力不足ということで・・・)

対応策についても優先順位をつける

対応策は複数考えることが出来ればBetterですが、いっぱいあってもどれをやればいいのか?というのが現場でも問題になります。

そこで、現実性・実行可能性・即時性などと、効果がどれくらい見込めるのか、という観点で高評価になる対応策を優先的に実行するべき、という考えから、どの対応策を実際に行うべきなのか、提示するようにしましょう。

ケースによっては、対応策の評価の軸は異なる可能性もありますが、基本は現実性・実行可能性・即時性と効果の2つの軸でよいと考えます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

ケース面談、それも実際に面接官とのやり取りがどんな感じなのかをつらつらと書いてみましたので、長ったらしくなってしまいましたが、雰囲気は伝わったのではないかと思います。

対応策のほう、もっとましなことが言えるといいんですけどね・・・トピックごとに、一度ケースは解いたら終わりではなく、もっといい方法がなかったか?と考え続けることが重要なのだと思います。

こちらの投稿が、参考になりましたら幸いです。

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