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【MaaS/CASE】日本企業の取り組み事例まとめ/図解【akippa、Hacobu、BOLDLY】

最近、個人的な興味と仕事の関係もあり、MaaS・CASE関連の企業の取り組み事例を調査したのですが、いやー、結構面白いことやってる企業が多いですね!

今回は、最近(というかもう当たり前なのかもしれませんが)にぎわってきているMaaS・CASE関連の企業の取り組み事例を簡単にご紹介していきたいと思います。

今回ご紹介するのは、駐車スペースのシェアリングサービスであるakippa、物流の効率化を行うネットワークサービスのHacobu(ハコブ)、そして自動運転のバスであるBOLDY(旧SBドライブ)となっております。

参考にした図書

初めに、参考にした図書を以下に乗せておきます。ストーリーでわかるMaaS&CASEは日本の事例が数多く扱われていて、創業者が事業を起こすまでの背景を書いていたりするので読み物としてもすごく面白いです。

ニューノーマルのほうは、昨今のコロナウイルスの影響を加味して今後の自動車業界で起こっていくであろう変革について述べられています。こちらも、おすすめです。

想定読者

  • 最近のMobility・自動車関連の動向が気になっている社会人の方
  • MaaS・CASE関連のITベンチャーが気になる就活生の方

メリット

  • MaaS・CASEを活用したビジネスモデル、企業の取り組み事例がわかる
  • 面白そうなことをやっているベンチャー企業を知ることが出来る

akippa:駐車場の事前予約アプリ

全国4.3万の駐車場・駐車スペースを事前予約可能

akippaは、駐車場の事前予約を可能とするアプリです。

目的地周辺についてから駐車場を探しても、どの駐車場も満車で、結局目的地から離れた場所の駐車場を活用することになる、あるいは割高な料金設定の駐車場を活用することになってしまったという方は、多くいらっしゃるかと思います。

akippaは、マップ上に利用可能な駐車場を表示してくれて、さらにはそこから予約、決済も可能となります。これでもう、目的地周辺で駐車場を探して運転を続けるということは無くなります。

2021年3月時点で4.3万の駐車場・駐車スペースが登録されており、この数は今後も増えていくことが予想されます。

月極契約の無い駐車場、自宅前スペースを登録可能

akippaの面白いポイントは、akippaを介して利用できる駐車場、駐車スペースは土地や建物の所有者がakippaに会員登録をすることで提供しているものだということです。

もし、駐車場のオーナーさんがいて、月極の契約がされていないスペースがあるのであれば、月極の契約がされるまでの期間、akippaに登録しておくことでスポットでの利用を介して収入を得ることが出来ます。

自宅に駐車スペースとして利用できそうな場所がある場合は、そちらをakippaに登録しておくことももちろん可能です。

akippaは駐車場や駐車スペースを登録しておくこと自体には費用を請求しないので、登録するだけしておく、といったスタンスでいいわけです。その代わり、akippaを介して駐車スペースとしての利用が行われた場合は費用のうちいくらかがakippaに入り、その他の部分がスペースの提供者に還元されます。

駐車場のオーナーさんの立場では、例えば月極の会員が決まったら、貸し出しが始まる前日までにakippaへの登録を終了すればいいだけなので、akippaに登録しない手はありません。

無人対応できるように設備を支給

akippaは、スペースの提供を行ってくれるオーナーさんの負担はゼロにすべく、スペースの利用者の対応をする必要性を徹底的に排除する試みもしています。

例えば、予約されていないにも関わらず駐車スペースを使っている車があると、予約している利用者にとっては予約していた時間に駐車が出来ない、という事態に陥ります。

そうした場合に備えて、akippaはスペースのオーナー様向けに駐車スペースへのログイン機能を備えた機器を提供しています。駐車場の予約者は、akippaのアプリをインストールしたスマートフォンを利用開始前にログイン機器にかざすことで駐車場の利用を開始します。

もし、このログインが無い状態で駐車スペースに車が止まっているといったことがあれば、ログイン機器はセンサーで予約なしに駐車している車を検知し、akippaに情報を伝達、akippaから対処が始まる、といった対応が行われます。

これがあるため、夜間であっても駐車スペースのオーナーさんが駐車スペースの利用者の対応に当たらなくてはいけない、といった事態にはなりません。

違法駐車の軽減にも寄与

akippaが持つ効果は、駐車スペースの提供者様への金銭的メリット、駐車スペース利用者様の利便性向上にとどまりません。

昨今、違法駐車が社会問題になっていますが、空きスペースが有効活用されることでこうした違法駐車が減ることが期待されています。違法駐車により道がふさがれることもなくなるため、クルマの移動や輸送などは効率化し、渋滞の軽減、間接的に汚染物質の削減なども期待できると考えられています。

まさに、三方良しを体現したようなサービスですね。

Hacobu:物流業界にDXを

アナログ作業に疲弊していた物流業界を変革

Hacobuは企業名ですが、その名前の通り、運ぶという行為を最適化し、働き手の減少や労働環境の悪化が問題となっている物流業界に変革をもたらすことをビジョンとして掲げています。

物流を支えるトラックの運転手は他の職種と比較して年間の労働時間は400時間以上多く、これは荷積みや荷降ろしの待機時間が長時間にわたることに由来していました。

一方で、トラックの積載率は依然として平均38%と低く、生産性が高いとも言えない状況でした。

FAX・電話からオンラインでの連携に移行

Hacobuは、物流業界が抱える問題は依然として作業がアナログで行われているという慣習にあると考え、MOVOというサービスを通じてオンライン化を推進しています。

従来、発荷主と着荷主の間で輸送に関する取り決めが行われると、両者の3PL業者が「モノを送る」、「モノを受け取る」という行為を行うにあたり、発荷主側の3PL業者から物流業者に依頼を行うこととなります。

依頼を行うまではEDIなどの電子データを用いた処理であることが一般的なのですが、トラック運転手がいつ、何をどこに行って受け取り、どこに向かって運んでいくのか、といった情報はFAXや電話で伝達されているとう実態がありました。

つまり、途中までは電子データで情報をトラックできたものが、途中でアナログでの管理になってしまい、現時点でどうなっているのかといった追跡は出来ず、さらに積荷計画や配送計画を状況に合わせて柔軟に変更するといったこともできない状況になっていたのです。

物流業者たちは独自のネットワークに頼る形で、いつまでにどこにもっていくので、それをここで別の物流業者に受け渡して、最終的にどこまで届ける、といった計画をFAXや電話で取り決め、実行に移していました。

HacobuのMOVOは、こうしたやり取りをオンラインで実行可能にし、複数の物流業者がオンライン上で連携できるようにしました。

物流の見える化、待機時間の削減、積載率も改善

MOVOに登録した物流業者は、他の登録業者との連携などもMOVOを通じて行うことが出来るようになり、また発荷主、着荷主としても物流の状況が可視化されるため、今どこまでモノが送られているのか、という情報が簡単に見えるようになります。

物流が見えるようになることで、いつ到着する、といった情報が精緻に判定できるようになったため、荷積み、荷降ろしに伴って発生していた相当程度の待機時間が減り、これによってトラックの運転手の労働時間が減ることとなります。

さらには、各トラックが何を積んでいるのかが見え、また移動ルートもわかるため、最適な移動ルートの差異計画、荷積みの再計画もできるようになり、積載率は改善し、生産性も向上しました。

技術の発展が進んでも、モノを運ぶという行為自体は永遠になくなりませんので、物流の生産性向上は社会的に見ても非常に大きな意味を持つといえるのではないでしょうか。

BOLDLY:ハンドルなしの自動運転バス

取り組みの無かったバスの自動運転

ソフトバンクと先進モビリティは合弁会社として、SBドライブ株式会社を設立しました。目的は、取り組みが無かったバスに対する自動運転の実装を推進するためです。

現在では、社名をBOLDLYに変更していますが、バスに対する自動運転実装は継続されており、2021年3月時点では月1回以上のペースで実証事件も行われています。

BOLDLYの提供するバスにはハンドルが無く、その分座席やスペースが取れているという特徴があります。

車内の状況を監視する技術が必要

BOLDLYがチャレンジするのはバスの自動運転ですが、個人が使用する乗用車との違いは想像以上の多岐にわたります。

サイズはもちろん違いますし、車内で人が立ち上がったり移動することがあるため、車内の人々の安全を考慮して速度調整をしたり、運転を行う必要があります。

こうした違いがあるため、これまで車外の交通状況をセンサー等でキャッチして処理をすることを主に発展してきた自動運転の技術に加えて、車内の状況なども注意深く監視するといった技術の確立も必要となります。

ハンドルは無いバスになりますが、不測の事態に備えてリモートで制御ができるよう、Dispatcherと呼ばれる役割の管理者がバスの運行時間中は勤務し、担当しているバスの状況をモニタリングするといった仕組みをとり、安全性の確保につなげています。

チャレンジングな領域ではありますが、市内を無人バスが走る日が来るのが待ち遠しいですね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回取り上げた事例は、社会的に大きなインパクトを持ちそうなものばかりでした。

MaaS、CASE、どちらも単なる技術発展ではなく、社会的にも大きなインパクトをもたらすものであるということが改めて認識できる事例だったのではないかと思います。

今後も、各社の実証事件や新たなサービス展開から目が離せませんね。

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