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【MaaS/CASE】日本企業の取り組み事例まとめ/図解【ニアミー、モネビズ、ループ】

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最近、個人的な興味と仕事の関係もあり、MaaS・CASE関連の企業の取り組み事例を調査したのですが、いやー、結構面白いことやってる企業が多いですね!

今回は、最近(というかもう当たり前なのかもしれませんが)にぎわってきているMaaS・CASE関連の企業の取り組み事例を簡単にご紹介していきたいと思います。

今回ご紹介するのは、タクシーに乗りたい人をつなぐアプリのニアミー、社有車を有効活用するモネビズ、そして電動キックボードのシェアリングサービスであるループとなっております。

参考にした図書

初めに、参考にした図書を以下に乗せておきます。ストーリーでわかるMaaS&CASEは日本の事例が数多く扱われていて、創業者が事業を起こすまでの背景を書いていたりするので読み物としてもすごく面白いです。

ニューノーマルのほうは、昨今のコロナウイルスの影響を加味して今後の自動車業界で起こっていくであろう変革について述べられています。こちらも、おすすめです。

想定読者

  • 最近のMobility・自動車関連の動向が気になっている社会人の方
  • MaaS・CASE関連のITベンチャーが気になる就活生の方

メリット

  • MaaS・CASEを活用したビジネスモデル、企業の取り組み事例がわかる
  • 面白そうなことをやっているベンチャー企業を知ることが出来る

ニアミー:タクシーに同乗したい人をマッチング

日本ではライドシェアリングは禁止だが、定義は契約が複数に割れること

ニアミーは企業名で、2021年3月時点では複数のサービスを展開しています。今回は、その中でもタクシーで同じ方向に行きたい人を探し出し、マッチングするというニアミータクシーシェアについてご紹介します。

まず、こちらは皆様ご存じのとおりかと思われますが、日本ではライドシェアリングが禁止されており、複数の利用者が1台のタクシーに相乗りして利用することは出来ません。

ニアミーは、このライドシェアリングの定義を追求し、その定義からは外れる方法で複数人がタクシーに同乗し、料金を負担しあうというモデルを確立しました。

ライドシェアリングの定義とは、「一度のサービス提供(タクシー等での移動)につき、ドライバーとサービス受益者間での契約が複数に分かれている状態」となります。

図解すると、以下のようになります。

普通に現金で支払うときは、どなたかがタクシーのドライバーさんには一括でお支払いし、後で清算を行うという行為が一般的かと思われますが、あれはドライバーさんと、実際に支払いを行ってくれた方との間で単一の契約が結ばれているものとみなされるのでライドシェアリングには該当しません。

Uberのケースでいうと、Uberのアプリ利用者がそれぞれサービス提供者と契約を結ぶことになってしまうため、ライドシェアリングに相当し、違反とみなされてしまいました。

契約行為をタクシーと最後に降りる人の間で一本化し、相乗りを実現

それでは、こうしたライドシェアリングを禁止するというルールがある以上、日本では相乗りを現金での清算以外に実現する方法は無いのでしょうか。ここに対する回答のひとつが、ニアミーのタクシーシェアサービスです。

ニアミーでは、まずアプリを介してタクシーで向かいたい方向を入力し、近くに同じ方向に行きたい人がいないかどうかを探します。アプリが自動でマッチングをしてくれ、マッチングした人たち同士でチャットをしたうえで、タクシーに同乗するかどうかを決定します。

その後、同乗することを決定した利用者たちで合流し、方法を問わずにタクシーを捕まえ、相乗りをします。どこで降りるか、といった情報は利用者の方からドライバーさんにお伝えし、一人ずつ降車していき、最後に下車する人から料金の支払いが行われます。

ここがポイントで、支払いが単一であるために複数人が利用者ではあるものの、契約自体は単一であるとみなされます。よって、ライドシェアリングには相当しません。

最後に下車した方は発行された領収書を用いて料金を登録し、あとはニアミーがタクシーシェアサービスを利用した方々へ清算を促します。

お得になる場合にのみマッチングが起こる

マッチングはAIが自動で行ってくれますが、単純に近くにいる人々をつなげているものではありません。

位置情報を用いて、このままもし一人でタクシーに乗った場合にいくらかかる、といった情報(本来かかる金額)を算出しておき、さらにマッチングの結果として複数の場所を巡りながら自分の目的地に向かった場合の清算金額と本来かかるはずだった金額との比較を行います。

この比較の結果、お得になることが事前にわかる場合に限って、ニアミーはマッチングを行ってくれます。

タクシーのビジネスモデルと競合しないため、受け入れられている

ニアミーのケースから学べる面白いポイントとして、タクシー業界との競合を避けている点があると考えます。

Uberは、タクシー業界との競合をもたらす白タク行為を誘発するものとみなされ、排除される動きがありました。一方で、ニアミーは見た目だけでいえば複数人が相乗りをしており、形態としては限りなくUberが提供しようとしていたライドシェアリングに近いといえます。

しかしながら、ニアミーは、タクシーに乗りたい人々のマッチングを行っているだけであり、最終的にはタクシーを利用して頂くというスタンスを示しています。

利用者はタクシー乗り場でタクシーに乗ってもいいですし、流しのタクシーを捕まえてもいい。または、マッチングした人同士で合流する予定の地点にあらかじめ配車アプリでタクシーを呼んでおいてもよい。いずれにせよ、タクシーを最終的に利用することになるため、競合を避けている、というメッセージが出せるわけです。

業界の慣習やルールに挑むような新たなサービスを展開するときには、既存プレイヤーとの関係をうまく保ちながらビジネスの展開を行うことが非常に重要ですが、ニアミーのとったアプローチは参考にできる事例ではないでしょうか。

モネビズ:眠っている社有車を有効活用

企業の持つ社有車を共同利用可能とするネットワークを構築

社有車というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。社長、役員が利用するためのもの、というイメージではないでしょうか。

実際には、不動産や保険事業を営む企業においては一般の営業さんなども使用していますが、利用者が限られており、相当に利用率の低い状態に置かれているという事実があります。

ここに目を付けたのが、MONET Technologies(モネテクノロジーズ)のモネビズです。

モネビズでは、社有車を保有している企業を会員としたネットワークが構築されています。モネビズ会員である企業の従業員の方は、モネビズのアプリを活用することで、自社以外の企業が保有している社有車であっても空き状況によっては配車、利用することが可能となります。

ドライバーはモネビズとの契約で手配されているため、利用者の方々は運転をする必要が無く、また公共交通機関と比べて閉じた空間であるため、仕事に関係する詳細な話を移動時間中に行える、クルマのサイズにもよりますがPCを開いて作業することもできる、といった利点があります。

社有車をお持ちの企業であれば、ぜひ検討していきたいサービスですね。

Luup:一人用マイクロモビリティのシェアサービス

短距離移動に特化した電動キックボード、電動自転車

本投稿での最後にご紹介するのが、一人用の電動キックボード、電動自転車、4輪の電動キックボードといった様々なマイクロモビリティを取り扱ったシェアリングサービスである、Luup(ループ)です。

当初は電動キックボードが主流でしたが、自転車もラインナップに加え、さらにご年配の方などを対象に安定性を高めた4輪のカート型のモデルもラインナップに存在しています。

以下に電動キックボードの例を用いて図解していますが、利用方法は非常にシンプルです。利用者は、あらかじめスマートフォン上にダウンロードしておいたアプリを通じて、電動キックボード等を予約し、利用します。

そして利用後、街中に配置された返却先に電動キックボード等を返却し、利用終了となります。返却先は、アプリ上の地図から確認することが出来ます。

安全性を考慮したリモート制御設計

ループの特徴の一つとして、単なるシェアサービスではない点が上げられます。一つ目は、安全性を考慮し、モビリティに対してリモート制御が行われる点です。

電動キックボードの例をとると、うまく乗るには少々コツがいります。したがって、ご年配の方であったりすると止まるべき時にうまく止まることが出来ない、などのリスクがあります。

ループは、交通状況を確認し、事前に危険を察知して速度を落とす、あるいは利用者に対して音声を通じて危険があることを事前に知らせる仕組みがあります。

さらに、ループは各利用者の利用履歴も詳細にとっており、スピードの出しすぎや急旋回や急停止を繰り返すような行動を繰り返すと、最初は通知から始まり、最終的には利用停止をするといった制御もされています。

利用者自身が返却の際にバランス調整をする仕組み

シェアリングサービスの問題点として、需給調整があります。いつも機器が不足している場所と、逆にたくさんありすぎる場所などが分かれてしまうといった問題です。

サービスによっては、定期的にトラックが巡回して機器がバランス良く配置されるようにサービス提供主体側で調整をかけているケースもありますが、ループの場合はこうした調整を利用者自身にやってもらうことでサービス提供主体の工数を省いています。

方法としては、利用者は返却先をアプリ上で探すのですが、このときに既に返却先がたくさんの電動キックボード等で埋まっている場合はそうした返却先がアプリ上の地図には表示されない設計をしています。

こうすることで、利用者にとっては少し移動距離が増える可能性もありますが、自動的にバランスよく機器が配置されるという仕組みとなっています。ビジネスモデルとして非常に優秀と言えるのではないでしょうか。

おわりに

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した3社もなかなか面白いですよね。

ニアミーのタクシー業界と競合しないアプローチや、モネビズのまだとられていない社有車という領域にしぼった取り組み、そしてLuupの機器のバランス調整を利用者自身にやってもらうというコンセプト、どれも素晴らしいものですが、これらは技術の話というよりもアイデアの話に近いと思われます。

個人的には、まだまだ目がつけられていないだけで、新たなビジネスチャンスにつながりそうな領域は多く、さらにはアイデア次第で既存のサービスを大幅に拡張できる可能性もある、というのが今回の3社の事例から得られた学びでした。

モビリティ関連のトピックは、今後も目が離せませんね。

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