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【購買管理】Enterprise Structure/組織構造【SAP】

投稿日:2021-09-26 更新日:

購買管理において知っておいてほしい基本中の基本、Enterprise Structureの解説を行います。

Enterpirse Structureは、企業の組織とロケーションを定義している構造のことで、まずSAP上で物を買ったり売ったりするときにはこの設定が必須となります。

加えて、Enterprise Structureの構成要素は顧客との要件定義や議論の中でも頻繁に出てくるので、概念として理解しておくことが非常に重要となります。

この他にもプロセスフローなどを解説しておりますので、ご興味がございましたらまとめ記事からご確認頂けますと幸いです。

Enterprise Structureとは

組織とロケーションを定義した構造のこと。文字通り会社を表す構造

冒頭でもお話ししていますが、Enterpirise Structureは、組織とロケーション、およびその関係を定義した構造データとなります。どのような設定なのかを話す前に、まず、一般的な企業における組織とロケーションの例を見てみましょう。

組織、別の言い方をすれば責任と権限の観点で言えば、会社 - 購買組織 - 購買グループという3層での構造となっています。

ロケーション、別の言い方では在庫管理(場所)の観点で言えば、工場 - 倉庫という2層構造となっています。

このつながりが、Enterprise Structureとなります。

なぜEnterprise Structureが重要なのか?

この設定がされないと動かない。かつ、間違えて設定すると後が大変(ほぼ戻せない)

なぜこの設定が重要かというと、物を買おうにも買おうとしている人が購買組織に設定されていないのであればシステムからはエラーが出ますし、買ったものはどこに納品したらいいのかシステムが判別できなければ、これまたエラーとなります。

こうした、当たり前の設定が、Enterprise Structureなのです。

もうひとつ、Enterprise Structureで重要な点は、一度設定するとほぼ戻せないという点です。SAPは、監査などを強力に支援する機能を持っていますので、どんなに強い権限を持ったシステム管理者でも、一度作られたトランザクションデータを完全に削除することはできません。

つまり、一度設定したEnterprise Structureにしたがって発注などのトランザクションデータが作成されると、そのトランザクションデータが基準にしているEnterprise Structureはロックされるのです。

Enterprise Structureの概念をきちんと理解しておくことが、自分の身を守ることにもなると思って、しっかり理解しましょう。

組織コード、ロケーションコードはマスターデータ、トランザクションデータの管理をする際のキーとなる

議論に頻繁に出てくるため、概念を理解しておかないとついていけない

また、Enterprise Structureに登場するコードは、どれもキー情報となります。

キー情報というのは、マスターデータやトランザクションデータをひとつに特定するための情報ですが、その性質上、システムをいじるときには常に登場しますし、議論の焦点にも頻繁になります。コードの意味をきちんと理解しておくと、議論に乗り遅れることも防ぐことができます。

どうコンフィグ(カスタマイズ・設定)すればいいのか

さて、それではどのようにコンフィグすればいいのか、説明していきます。

まず、先ほども出していますが、こちらの図の例で示された線でつながれた組織同士、そしてロケーション同士はつながりを持つようにSAP内に設定してあげる必要があります。

ここまではわかりやすいと思いますが、SAPに対しては、さらに組織とロケーションの関係を定義してあげる必要があります。

そうしないと、本来は第一購買事業部の人間は購買したものを大阪工場に置く権利などないはずなのに、そうしたことができてしまうからです。

こちらの図の例では、責任と権限の観点では第一購買事業部の鉄鋼購買部が鉄鋼の購買に責任を持ち、繊維購買部が繊維の購買に責任を持っています。第二購買事業部には重機購買部のみがあり、重機の購買に責任を持っています。

一方で、在庫管理の観点では、鉄鋼と繊維は神戸工場だけに保管するものの、重機は神戸と大阪の双方に保管する構造となっています。

つまり、第一購買事業部の人間は購買したものを神戸工場に納品するという仕事内容である一方で、第二購買事業部の人間は購買したものを必要に応じて神戸工場、大阪工場のどちらかに納品するという仕事内容となります。

第一購買事業部のほうは非常にシンプルなので省略しますが、第二購買事業部の組織とロケーションの関係を図解すると、以下のようになります。

こうした物流を実現するために、組織とロケーションを定義してあげる必要があります。

こうした設定をしてあげないと、SAPは動いてくれませんし、こうして制限をかけることで、きちんとした内部統制を社内に徹底しているのです。さて、ここまでは現実世界でよくありそうな名称で組織、ロケーションを表現してきましたので、SAPの言葉に置き換えるとどうなるのか、見てみましょう。

各コードの意味を以下に記載します。

Enterprise Structureの構成要素

図解している各コードについて、以下説明します。

Co.Code:Company Code - 会社コード

会社を表すコードです。3桁で表現します。通常は一つですが、企業グループを管理する目的で導入されている状況では、会社コードが複数存在することももちろんあります。

Purch.Org:Purchasing Organization - 購買組織

購買を行う組織を表現します。3桁で表現します。会社コードのすぐ下の概念なので、事業部レベルといってよいでしょう。商社などは、事業部ごとにトレードが行われていますので、一社の中に複数の購買組織が存在します。

さらに商材ごとに分かれているケースもありますが、それを購買組織を複数持つことで表現するか、あるいは次に説明する購買グループを分けることで表現するかは、要件次第です。

Purch.Gr:Purchasing Group - 購買グループ

購買組織のさらに下の階層になります。こちらも3桁。小さな企業では、この購買グループが一人の人間を
意味することもあったりします。商社なんかでは、それはもうたくさんの購買グループが連立することになります。

Plant:プラント - 工場

ロケーションを示す一番大きな概念です。4桁で表現します。工場、拠点、物流センター、など、とりあえず物を
置いておくところだとイメージして頂ければと思います。

Sloc:Storage Location - 倉庫

Plantの下の階層となります。4桁で表現します。企業によっては、これを工場内の倉庫の区画にしたり、
棚レベルの細かな粒度にしたり、あるいはロケーションではなく新品、中古品、などといった在庫のステータスのように取り扱うこともあります。

最後の例は、本来の使い方ではないのでオススメできないですが。

これらのコードを、今回の例でとりあげた物流を実現するために組織とロケーションの観点で紐づけると、以下のようになります。

組織の観点と、ロケーションの観点では比較的簡単にどこをどうつなげればよいかわかっていただけると思いますが、上記の図のように組織とロケーションを紐づける必要もあります。この部分も含めて、SAPではEnterprise Structureと呼びます。

もし動かなくて、
「Purch. Org xxx is not maintained/assigned to Plant xxxx」

などのエラーメッセージが出ていれば、 Enterprise Structureに不備がないか、確認してもらえるといいでしょう。

おわりに

Enterprise Structureの概念については、ご理解いただけましたでしょうか。

この他にも、プロセスフローなどを解説している記事がございますので、ご興味がありましたらまとめ記事をご覧頂けると幸いです。

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